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【2017/05/24 22:32 】 |
前日のスターティング


ミラノのホテル。
試合を前日に控えたASローマ選手たちはこのホテルに泊まって明日の試合に備える。
そして、夜のミーティングでちょっとしたサプライズが起こった。







小会議室に集まった選手たちの前でBucchiiは珍しく、明日の試合のスタメンを発表したからだ。

「何だよ急にさ、何か悪いもんでも食ったんじゃないのかー」
サイドバックのサンド・フィオーリがからから笑いながらからかうように言う。Bucchiiは少し照れたように頭を掻いた。

「ま、あれだ。明日はいつもより大事な試合だしな」
「確かに。準備は早いほどいいです」
肯定的なキャプテンジーナ・デル・サルトは最前列でうんうん頷いている。


そしてBucchiiの口からスターティングの選手が読み上げられる。

GK:プレシャス・デーデ
CB:キッカ・コスタクルタ
CB:パオラ・ファウネル
SB:サンド・フィオーリ
SB:ローザ・ベルガメリ
CMF:ジーナ・デル・サルト
CMF:森下 茜
SMF:オーラ・サネッティ
SMF:アギー・バック


ここまではほぼ予想の範疇だった。
が、その後更なる驚きが。



「ツートップ、まずはカミュ・ファルコーニ」
選手たちがざわめいた。
Bucchiiの隣に配していた橘恵美も一瞬呆けるような表情をした。言われた本人、カミュだけは当然だ、かのように何度も頷く。
そして畳み掛けるような驚き。

「もうひとりは、リルハ・イルハ」
それを聞いた瞬間、代歩がテーブルを叩いて勢いよく立ち上がった。

「ちょ、なんでっ!」
「座ってろ、清水」

今まであまり聞いた事のない威圧感のあるBucchiiの声。代歩は舌打ちしながら大きい音を立てて座った。

手を上げた選手。キャプテンのジーナが代歩の次に立ち上がった。


「ミステルの決定であれば従います。だがきちんと説明してほしい」
そして大きく息を吐いた。

「そのツートップでは無理があります。カミュは今日の練習でも殆ど動けなかった。怪我の治ってない選手をスタメン起用というのはどう考えてもおかしい」
「ふむ」
ジーナの問いかけにBucchiiは顎に手をかけて一度頷く。ジーナは更に問いかける。

「それにウチの得点源であるカホを起用しないのも納得がいかない。明日の試合は引き分けじゃだめなのはミステルだってわかっているはずです」
ジーナの言葉に今度は代歩が頷いた。
ローマの得点は代歩、カミュ、それに中盤選手と突出して挙げている選手はいないのだが、それでも代歩はチーム内では得点を一番挙げている。2年間のローマ在籍で代歩はエースと呼ばれても差し支えない存在になっているのだ。

「そうだな……うむ…」
Bucchiiは少し考えるような素振りをしてから、おもむろに隣の恵美の肩をたたいた。
「橘、お前から説明しろ」

不意に肩を叩かれた恵美は多少戸惑いながらも一歩前に進む。


「あの、まずはカミュの容態の件ですが」
恵美はそう切り出してからやはり最前列に座るカミュを見る。

「今日は10分ほどしか動けませんでしたが、明日には必ず回復します。それは私が保障します」
「それは、90分フルタイムなの?」
ジーナの言葉に恵美は即座に首を振る。

「そこまでの回復は無理。30分……いえ、長くても45分が限界だと思います」
「つまりだ」
恵美がそこまで言うとBucchiiが言葉を引き継いだ。
「明らかに戦力になるカミュなのは皆も承知だと思うが、それでも限界はある。だからツートップの相方にリルハを使ってできる限りカミュの負担を減らす方向なんだ」

カミュが必要最小限の動きで動きで済むように、運動量のあるリルハを前線で起用。かき回して効果的にスペースを作る。

「そして、カミュが限界になったら、次は清水。お前の出番だ」















「ミステル」
ミーティングが終わり、恵美は監督の泊まる部屋を訪問していた。

「とりあえず皆は納得しました。でも」
「言うなよ。俺だってこんな起用の仕方はしたくなかったんだ」

そう、あまりに消極的な起用の仕方。
従来のBucchiiであればスタメンに代歩とリルハ、そして後半満を持してカミュ起用という流れのほうがよりスムーズに感じる。

「相手は本気のインテルだ。前半で大差を付けられたら後半カミュを起用したところで意味を成さないかもしれない」

そして代歩とカミュという爆発力のあるコンビを分断した事。
結局90分間をコンスタントに戦力維持するという考えであればそういう起用法になっても致し方ないことなのかもしれない。でもそれでも、今までのBucchiiでは考えられない現状維持的な起用方法。

病気で弱気になっているんじゃないのか?

そんな考えが恵美の脳裏を掠める。


「まあ、実はもうひとつ考えがあるんだけどな」
Bucchiiは含み笑いを漏らした。恵美は首を傾げる。

「だが、それはあまりに希望的観測でな。絶対に嵌るという保障も確証もないんだよ」




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【2012/01/05 06:16 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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