忍者ブログ
  • 2017.07
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 2017.09
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【2017/08/20 03:35 】 |
桜花杯決勝戦模様その7 有終の美を飾れ


キャプテンの本田飛鳥の肩を借りてピッチサイドに向かうほむら。
そこには準備万端の交代選手が待っていた。






20→10



客席から万雷の拍手を受け、ほむらがピッチサイドの選手と抱擁する。
ほむらをきつく抱きしめたその選手は勢いよくピッチに飛び込む。その後姿にベンチの美樹さやかが声を出す。


「ガンバですっ!ちとせ先輩!」
「おお、有終の美って奴を飾ったるさかいにっ!」
美樹さやかにそう答える相沢ちとせは右手を振って走り出した。


有終の美……?
それってどういう……?

その思考はさやかの真後ろから聞こえるバチンと言う乾いた音で寸断された。



「どうして殴られたか、わかってるわね」
「……はい、申し訳ありませんでした……」

松原聖に頬を張られたほむらは張られた左頬を赤く腫らしながら俯いた。飛鳥からほむらの肩を任されたまどかは一連の出来事にただオロオロしていた。


「あなたが期待に応えたいと思うのは悪いことじゃない。でもね、それで自分の体を棒に振るのはやめなさい」
淡々とした口調、ほむらは俯いたまま体を震わす。聖はふうとため息を吐くと不意に微笑を浮かべてほむらに一歩近づき、その華奢な体を抱きしめた。

「でも、あなたの気持ちは嬉しかったわ。ありがとう」
「…………はい、あり、がとう…ご…ざいま、……す…」

ほむらの言葉、最後は声にならなかった。悔しさと情けなさで肩を震わせていただけではなく、ほむらの中に別の感情が沸きあがっていた。それが肩を震わしていた。


聖は傍らのまどかにほむらをピッチサイドのチームドクターるりさんの元に連れて行くように指示し、治療の手伝いをするように伝える。その指示はまどかに、「今日は出番なし」を伝えるのも同義だったのだが、まどかは特に気落ちするでもなくそれに頷き、いまだ体を震わせているほむらの肩をそっと抱いた。





さてピッチ上では先制点を許したDMSも動いていた。
CBの水谷に代えてSB登録の広瀬のぞみ。そしてここまであまり機能しているとは言い難かった風間こだちに代えて安藤桃子を送り出した。
左サイドだった音無夕希がFWにコンバート。安藤を最前線において夕希、佐倉杏子のツーシャドー。両サイドのぞみと向井弥子がSBに下がっての4-3-3に変更してきた。

ほむらに代わってトップ下に入った相沢ちとせは大きな声を張り上げている。

「はようウチにまわせっ!ウチにパス出せっ!」


守備に重点を置きたいところだったがうるさいぐらいの声に飛鳥はベンチを見やる。テクニカルエリアの松原聖は飛鳥の視線に気がつくとこくりと頷く。



(なるほど、守る気はないってことだね……)

とは言え、DMSもフォーメーションをチェンジして攻撃的に振ってる事を考えれば攻撃ばかりに頼っていても意味はない。
「攻撃は最大の防御」と言うが、それも信頼の置ける火力がなければ仕方がない。
田園調布との練習試合の後、レギュラーはおろか交代にも出ていないちとせがどう動いていくのか、動かしていくのかチーム全体としてまだ測る段階であるのは間違いない。

なるみが巴マミからのパスをカット。すぐさま飛鳥に繋ぐ。
飛鳥は素早く反転し前方のちとせに向けてボールを叩いた。一文字茜もそれに応じてDFラインにプレッシャーをかけていく。
ちとせがボールを右足でトラップ。その瞬間楠瀬が体を当ててきた。

「うっさいわっ!」
反転しながら右手を振って楠瀬を押しのけ、転倒。審判の笛がけたたましく鳴り響き、ちとせに対してイエローカードを提示した。



「……あっちゃあ…」
飛鳥はやれやれといった感じで首を振る。ちとせは主審の判定に憤慨しているようだったが芹華がそれを必死でなだめている。
でも、それが少しだけ心強いかもしれないな。
飛鳥はそんな事も同時に思っていた。
















「え、レンタル移籍?」
「そうよ、2部の大阪に今シーズンいっぱいの期限付きでね」

ほぼアップが終わったさやかはやはり試合を注視していたヘッドコーチの川田知子に聞いていた。

「そんな、来たばっかりなのに……」
「そうよ、でも本人がどうしてもってね」

知子はそう言って首を振った。
本人の談によれば、「一からやって、きちんと這い上がりたい」ってことらしい。
新チーム、そこからレギュラー争いを経てチームを昇格させ、そして……

「SCMを叩き潰したいってね」

知子はそこまで言うと笑った。さやかも笑顔を見せる。
ああ、ちとせさんらしいかも…ってそこまで長い知り合いでもないけど(笑)



と、そこでテクニカルエリアの松原聖がこちらを振り返って大きな声を上げていた。





「さやか、出番よっ!!」

PR
【2012/01/14 19:43 】 | Others League | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
<<桜花杯決勝戦模様その8 美樹さやか | ホーム | 桜花杯決勝戦模様その6 やるべきこと>>
有り難いご意見
貴重なご意見の投稿














虎カムバック
トラックバックURL

<<前ページ | ホーム | 次ページ>>