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【2017/07/26 19:41 】 |
第33節 Internazionale Milano vs Associazione Sportiva Roma 2 フィールドのオペラ



「よーっし!がんばれローマー茜さーんっ!」
キックオフの笛と共に観戦中の本田飛鳥はテレビ画面に向かって吠え立てた。
芹華の「いや、聞こえないから」という冷静な突っ込みも何だか空虚なほどのエキサイトぶりに周囲の空気は弛緩した。






歓声を背に受けながらのキックオフ。
ここサン・シーロはインテル、そしてミランのホームスタジアムではあるのだが今日は特別な試合ということもあり、ローマサポーターであるロマニスタも多数来場している。
ぱっと見た感じインテリスタ6にロマニスタ4という分布であり、応援の量では大差を感じない。

ティアナが後ろに流したボール。開幕ダッシュでリルハ・イルハがボールを奪うべく走るボールを追う。
受けたのはアメリカ人MFであるフィアッカ・マルグリット。ボールを右足インサイドでトラップすると小さな体を振る。結んでいない長い金色の髪が大きく揺らめいた。
フィアッカから左のエステル・ヴァルディオラへ繋がれる。ローマ右サイドのアギー・バックが向かうがエステルは後ろに。左サイドバックのバニア・カモネージから中央ナスターシャ・シルベストリに。

ナスターシャはボールを受け、右手を大きく挙げた。



(来る!? いきなりかっ!)
ジーナ・デル・サルトは戦慄する気持ちを抑えて左の茜を見た。茜は視線に気がついてから軽く同意の意味で顎を縦に動かすと後ろに下がった。


掲げた右手。そしてナスターシャの長く細い指が複雑に動き出した。リルハが方向転換しながらナスターシャに向かう。
右手が振り下ろされた。
瞬間、インテルの選手全員が前にせり出した。


リルハがナスターシャに到達する前にナスターシャの左足が動いて右のミランダ・ネロに向かってパス。
鋭いグラウンダーのパスが走り出したミランダの足元に到達。オーラがチェックに向かうがその前にミランダはダイレクトで前に。
オーラの脇を駆け抜けたボールは前方右サイドMFベル・メイヤーの足元に。そしてベルもやはりダイレクトで中央走るフィアッカに。
更にフィアッカもダイレクトでボールを叩いてエリア手前のカーリー・コンティ。パオラが背中に寄せ、張り付く。
カーリーはダイレクトでそのままフィアッカにボールを返し、フィアッカからダイレクトパスが左を走るエステルの足元に。が、エステルの前方にはローザ・ベルガメリ。
エステルは舌打ちをしながらダイレクトパスを中央に返す。それを受けたのは中盤後ろからここまで一気に走ってきたナスターシャ。茜が驚愕の表情を浮かべながらナスターシャに向かうがナスターシャは右足を振ってダイレクトでチップキック。ふわりと浮かんだボールはエリア内へ。
瞬間、DFラインの裏にティアナ・バイオレットが抜けた。線審は旗を動かさない。


インテリスタからの歓声、ロマニスタからの怒号。交差してスタジアム自身が唸りをあげた。
キッカが懸命に体を振ってティアナを塞ごうとするがティアナは腕を振ってそれをかわす。
ゆったりとした軌道のボールがティアナの足元に落ちてくる。
右足を振ってダイレクトシュート。

だが、瞬間滑り込む影。
サンド・フィオーリの右足がシュートコースに伸びた。
振りぬかれる右足だったがボールはサンドの伸ばした右足つま先に掠って僅かにコースを変える。
プレシャス・デーデが長い胴体を懸命に伸ばして横っ飛び。右手のキーパーグローブがボールを掠め、ボールはゴールラインを割った。

安堵のため息と落胆のため息が同時にスタジアムに漏れた。



『開始1分。いきなりインテルが特大チャンス。だがローマは皮一枚でこれを凌ぎましたっ!』
『いきなり出しましたね。これがインテルの攻撃の特徴、いわゆる「サインプレー」ですよ』
『サインプレー?』
『ええ、最初にシルベストリ選手が右手を挙げましたよね。あの時選手全員にサインを送っていたんです。あとはそれの通りに選手たちが動いてこのチャンスを演出したと』
『いや、でもサッカーですよ。野球じゃないんですからサインプレーなんて……』
『ええ、だからこそ驚きなんですよ。刻々と状況が変わり、同じような局面が殆ど起こりえないサッカーにおいて決まった動きを演出するサインプレーなんて意味が無い筈なんですよ』
『でも、それができるのがインテル…』
『ええ、ナスターシャの出すサインは数百、数千種類あると言われています。ピッチの状況、相手選手の配置や動きを予想して瞬時に攻撃のタクトを振るう』

『フィールドのオペラ、インテル。そしてピッチの演出家であるナスターシャ・シルベストリだけが起こせるカルチョ劇場ですよ』





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【2012/02/06 10:35 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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