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【2017/05/24 22:24 】 |
第33節 Internazionale Milano vs Associazione Sportiva Roma 4 連携的ファンタジー


開始5分の両チームの攻防。
ダイレクトプレーを重視するインテルの連携からのプレー。
そしてファルコーニのファンタジー溢れるプレー。

どちらもチームの良さを大きく引き出したという点では一緒。
そして、攻防は更に加速の一途を辿る






(なるほど、やっぱりファンタジスタなのね……)
今更ながらナスターシャ・シルベストリはそう思いを巡らしている。

ローマはカミュ・ファルコーニというファンタジスタのチームであり、カミュがいないローマはチーズを載せないピザのようなもの、
と揶揄する者も多くいる。
それは事実であり、そして端的には事実ではない。

実際、アズーリであるオーラ・サネッティやジーナ・デル・サルト。ナイジェリア代表守護神であるプレシャス・デーデに日本代表の森下茜に清水代歩などタレントが多いのではあるが、やはりカミュ・ファルコーニの存在感は圧倒的。
それほどイタリアという国はファンタジスタという存在に敬意を払っている。
それはイタリアのカルチョの歴史の中で育まれた守備の歴史。いわゆる「ウノゼロ」という守備の伝統の中、たった一人で試合を決定付けるファンタジスタという存在は守備偏重の国柄の中で勝利を得るために必要だった存在。
現在のイタリアではそれほど守備偏重ということでもなく、攻撃のタレントも多く存在しているのではあるがそれでも伝統に守られたファンタジスタ、カミュ・ファルコーニは絶大な人気と存在を持っている。

だが、これまでも話したとおり近代サッカーにおいて自由な羽で自由に飛び回るファンタジスタという存在は連携の阻害という観点から絶滅危惧種と成り果てているのも事実。インテルも近代サッカーの発展に習い、連携を重視しナスターシャを中心としたスタイルを確立させている。



だからこそローマというチームが凄いのだ。
「ファンタジスタを使いこなしている」というただ1点において。
カミュ・ファルコーニという歴史的に見ても有数のファンタジスタを組織的戦術的に組み込んだローマのシステムは近代サッカーと逆行している感もあるが、もしかしたらむしろ近代サッカーの更に先を行っているのかもしれない。ナスターシャはそんな考えを持っている。

アズーリの中でナスターシャはカミュに対し圧倒的な力を持って従順に従わせることによって連携を深めていったが、ローマ内でのカミュは更に大きな翼を広げているという感覚がある。
これが自身もファンタジスタと呼ばれ、極東の人間でありながら首都のチーム監督を任されているBucchiiという男の力なのか。


(でもね……)
ナスターシャは深く考え込むことをやめた。右のベル・メイヤーからのパスを受けたナスターシャはルックアップ。前方にポジショニングしているフィアッカ・マルグリットにボールを出した。

(ファンタジーは、ファンタジスタだけのものじゃなくなった)

瞬間、フィアッカとナスターシャの視線が絡み合い、ナスターシャが頷くとパスをインサイドで受けたフィアッカも答えるように頷いてから前を向いた。


(それを、みせてあげるわ)


ナスターシャは右手を挙げてまた複雑なサインを出した。
それによりインテルの選手全員のポジショニングに変化が生じた。




それを敏感に感じ取ったのは森下茜。
中盤のシステムはローマと同じ横並びだった筈だがフィアッカがトップ下の位置に。ナスターシャが後ろに下がってワンボランチ。中盤がダイヤモンドに変化している。
少し考えた茜はトップ下のフィアッカに足を向けた。ジーナはその動きを見てバックアップの体勢を整える。


中盤コンパクトにボールを繋いでいたインテル。
後方ナスターシャから縦パスが伸び、ローマゴールに背を向けた格好でフィアッカがボールを待ち受ける
。が、その背中に茜が張り付いた。

(前は向かせないっ!)
茜の顎の先ほどの身長のフィアッカは恐らくカミュよりも小さい体。伸ばした金色の髪は緩やかにウェーブがかかっており、照明に照らされて輝いて見える。
一瞬だけその髪色に見とれてしまった茜だが気を取り直して更に体を寄せる。
そしてナスターシャからのパスがフィアッカの足元に伸びてくる。


「……前を向く必要も、ないかも」
ぼそっと呟く声。まるで茜の心の中を読んだかのように。
フィアッカはナスターシャからのボールを右足つま先で弾き、真上に放り上げた。緩やかな弧を描いたボールは茜の背中に。

「ナイスパス」
茜の背中からの声。左サイドから中央に絞り込んだエステル・ヴァルディオラがそのパスに反応していた。
胸トラップで浮き玉を足元に落とし、ゴールを向く。ジーナが詰めるよりも先に右足を振りぬいてミドルシュートを放った。

が、シュートはクロスバーを僅かに超えてスタンドの客席に直撃した。



茜がフィアッカに詰めた。
ジーナがそのスペースをフォローする。
が、プレーはその僅かな隙間、バイタルエリアのスペースを使われた。
フィアッカの独特な感性がインテルの連携にしっかりと染み渡ってのプレー。

これこそがインテルのファンタジーなのか
ナスターシャは驚愕の表情を浮かべている茜に向かって微笑みかけた。


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【2012/02/12 21:35 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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