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【2017/05/23 02:26 】 |
第33節 Internazionale Milano vs Associazione Sportiva Roma 5 虚を突くロング



「フィアッカ・マルグリットね……ストレンジス時代に数度対戦したわ」
メインスタンド、藤崎詩織がそう呟いた。菜由、そして咲野明日香が振り返り、詩織の隣佐野倉恵壬も顔を向けた。

「嫌な相手よ。広いスペースよりも狭い、普通使わない隙間で動くのよ。あの小さい体を絶対の武器にするのよ」
投げやりな調子でそう言葉を続ける詩織を見る菜由。

そこにいるのはかつての強い司令塔の姿ではなく、何かを諦めきった女性の姿。
「もういいかなって」
そう言ったのはやはり本心なのか。
寂しさを纏ったその姿に不意に涙がこぼれそうになった。





右サイド深いところからローザが何とか前にボールを出した。
下がって受けたアギー・バックから大きなサイドチェンジのボール。だが走りこむオーラの手前でナスターシャが飛び込んでカット。胸トラップでボールを落とすとワンタッチで中央にボールを叩いた。
中央待ち受けるフィアッカ。ジーナが向かうが左足アウトサイドでダイレクトパス。右サイド、サンド・フィオーリと併走するエステル・ヴァルディオラがそれを受けてドリブル。サンドのアタックを振り切りながらクロスを入れ、二アサイド低めのボールをカーリー・コンティが頭で合わせたがコースに飛び込んだキッカ・コスタクルタが弾き返した。

前半15分を回り、インテルの攻撃回数が少しづつ増えていった印象。
ローマも散発ながらカミュ・ファルコーニを中心とした攻撃を画策するのだが開始時のようなチャンスを演出することはなくなっている。
ここまでインテルシュート5、ローマシュート2という具合。


「やっぱり、ナーシャの存在が大きい……」
菜由がそう呟いた。
フィアッカを中心とした攻撃を基本としたことでナスターシャ・シルベストリが中盤底でローマの攻撃を寸断している。
先ほどのサイドチェンジのボールをカットしたようにピッチ全体を俯瞰しているナスターシャのおかげでローマはボールを持てても前線に渡る前に止められてしまう。
オーラ・サネッティの俊足など個人の技量を頼りにすればある程度の突破は可能になるが、戦術的にスペースを作る作業は今現在殆ど成功していない。


「それもあるわね。でも、問題なのは…」
詩織がピッチを見下ろしながら独り言のように呟く。
「森下さんが前に出ないことね。恐れているのか、わざと出て行かないのか…それとも」
詩織はそこで言葉を止めて試合を注視した。


フィアッカからのパスがカーリー・コンティに伸びるがその軌道に森下茜の足が伸びる。
カット。ルックアップで右にパス。アギー・バックからリルハ・イルハに綺麗にパスが通った。ロマニスタサイドから歓声があがる。
だが、あっという間にリルハが囲まれる。

「くぅ!」
カレン・アダミッチとバニア・カモネージのマークでリルハは仕方なく後ろに戻す。が、そのパスが狙われたナスターシャにカットされる。そしてルックアップ。


にこりと笑顔を見せると大きく足を振り上げる。前線、動く黒い影。

これまでショートパスを繋げていたインテルだったが不意打ちのロングフィード。ローマの選手全員が虚を突かれた。
一気に前線に放たれるロングパス。
DFラインを押し上げかけていたキッカの裏に抜けるティアナ・バイオレット。
次はインテリスタサイドからの歓声が大きくなった。

キッカ、パオラを置き去りにしてラインの裏に抜けたティアナ。線審をちらりと見やり、旗が揚がっていないことを確認し口元を上げた。

GKとの1対1。ナスターシャのボールは正確無比にティアナの足元に落ちてきた。ワントラップ、足を振り上げた。
が、横からボールをさらう影。黒い尾の髪がティアナの眼前を抜けていった。
森下茜がここまで戻っていた。ため息と歓声が同時に大きく起こる。

前半20分。インテル優勢のまま試合は動かず―



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【2012/02/13 14:46 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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