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【2017/07/25 09:30 】 |
第33節 Internazionale Milano vs Associazione Sportiva Roma 6 違和感


「うわ、危なかった……」
福岡のホテル。観戦中の本田飛鳥はテレビ画面を見ながら安堵のため息を吐いた。
パスの緩急。緩いパスから速いパス、ショートパスからロングパスと緩急を付けることで守備陣の混乱を誘うというのは基本中の基本ではあるが、こうまで上手く決められるというのはもはや芸術の域と言わざるを得ない。
これこそがインテルの、いやナスターシャ・シルベストリの実力なのか。

ただ、このプレーによりこの後の試合の趨勢が決してしまった感がある。
もうローマは容易に前に出ること、リスクを負ったプレーをすることはできないのかもしれない。
この先ローマが主導権を握る術を見出す為に何をすべきなのか。
飛鳥にはその方法は思いつかなかった。






右サイド、ミランダ・ネロのオーバーラップ。
オーラ・サネッティが併走し、サンド・フィオーリがカバーに入るが隙間からクロスを上げられる。
ファーサイド飛び込んだカーリー・コンティだったが寸前で茜が頭で弾き返す。だがそのルーズボールはフィアッカ・マルグリットが確保。縦パスを入れてベル・メイヤーの足元からワンツーパス。ジーナのマークをかわしながらペナルティ・アークまでボールを運んだフィアッカが少々強引にシュートを放つがGKプレシャス・デーデが弾き出した。だがセカンドボールを確保したのはまたもインテル。
エステル・ヴァルディオラからサイド深くに残っていたミランダに流してダイレクトのクロスをあげた。同じくファーサイドのカーリーを狙ったがこんどはキッカ・コスタクルタが弾き出した。



「ジリ貧、ですね」
テクニカルエリアで監督Bucchiiの隣に配している橘恵美がそう呟いた。
前半25分を過ぎてインテルの攻勢が止むことがない。4バック、そして茜やジーナ、アギー・バックにオーラまでもが守備に忙殺されている有様であり、たとえボールを確保しても前線のリルハにカミュとの間が間延びしすぎている。そしてその間延びしたスペースにはナスターシャが目を光らせている。
攻撃に転じる隙さえ無い。このまま時間が過ぎればカミュの右足の爆弾は破裂する。
そうなればますます得点の匂いも消えていってしまう。
監督であるBucchiiはピッチを見据えてまま少し考える素振り。そして、

「橘、清水にアップの指示を」
「はい」
恵美は頷くとベンチに向かって走っていった。
アップの指示を出したからといって出す、というつもりはBucchiiはなかった。当初のプランどおり後半から清水投入という考えに変わりはない。
だが彼の中で警鐘が鳴っていた。

嫌な予感がする






やっとのことでセカンドボールを確保した茜。ピッチを見渡してアギーとオーラに上がるように促す。チェックに来たエステルとフィアッカを腕を伸ばして抑えながらもキープ。キープして味方の押し上げを画策する。
どのみちナスターシャがバイタルエリアに蓋をしている状態でカウンターアタックは無理だ。ならば両サイドをしっかりあげて攻めの土台を構築するしかない。
遅攻で何とかなるとは到底思えないのだが、もはやそうするしか手段が残されてなかった。

十分に守備ブロックの押し上げが出来たと判断した茜は近くのジーナにパス。そして自身は前線に向かって走る。
ジーナから右のアギー・バック。アギーの脇を駆け抜けてサイドアタックを試みるローザ・ベルガメリだったがアギーはそれを無視して中央走り出した茜に早いグラウンダーのパスを出した。

茜が受けた瞬間、その目の前にナスターシャが躍り出た。


「アカネ、そろそろ勝負しましょうよ」
「ナーシャ……」
にこりと笑顔を見せるナスターシャ。対する茜は口元をぎゅっと結んで前に進んだ。ナスターシャは強く茜の肩に自分の肩をぶつけてきた。


茜がキープ。ナスターシャが力に任せて押しながらボールをさらう動き。それでも茜はボールを渡さない。

(見た目華奢なのに、当たるとわかるわね。岩みたいな体…)
ナスターシャは茜のフィジカルの強さに感心しながらそれでも力任せに押し込む。だが茜はそれをものともせず、バランスを保ちながら周囲を見た。

前線、
カミュが左手を大きく挙げてアピールしている。リルハも同じようにボールを求めている。
だがそのコースを狙うようにちらちらとエステルやベルの姿が見える。
アギーが中央に絞ってやはり右手を挙げている。

ここはっ!



茜はそのどれも選択せず、右サイド深くにロングパスを出した。
その先には先ほどサイドを走りこんだローザ・ベルガメリが。
蹴りこんでから茜は更に前線に。


ローザに綺麗にパスがわたりスタジアムの歓声が一段と大きくなる。
サイドを抉ったローザがクロス。ファーサイド走りこむカミュを狙ったものだった。それを見た茜の顔が蒼白になった。

(違う、それは狙われている……)


急ストップ。周りを見たが違和感に気がついた。
ナスターシャの姿が視界から消えていた。




ローザからのクロスをエリア内カミュ・ファルコーニはジャンプしながら胸で受け、左足を大きく振って収めた。
が、着地した瞬間セレニーナ・ドミンゲスとバニア・カモネージの二人に挟み込まれる。更に後ろからエステルが来た。あっという間に3人に囲まれるカミュ。


「……3人でかかれば、どうにかなるって?」
カミュはほくそ笑んでから上体を左右に振る。左足でボールをまたぎながら3人の隙間を抜きにかかった。

そう、普段のカミュ・ファルコーニならきっと抜けたんだ。





踏み出した瞬間、体に痛みの電流が走った。右足の力が抜けてがくりと膝が折れる。その瞬間を見逃すインテル守備陣ではない。
セレニーナがカミュの足元のボールをさらい、上体でカミュの体を弾き飛ばした。
背中から転倒するカミュ。
そして、一気にロングパスを出した。
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【2012/02/13 23:13 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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