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【2017/10/21 23:02 】 |
第33節 Internazionale Milano vs Associazione Sportiva Roma 9 正統派


ジーナのスライディングタックルはファウルと判定され、主審から注意を受ける。
ナスターシャが華麗な側宙で難を逃れたこともあって、カードが出ることはなかったが、ゴール前正面24メートル。
危険な場所であることは疑いようが無い。





「くっ、」
カミュ・ファルコーニはこのピンチ、せめて壁に参加するべく自陣に戻ろうと一歩を踏み出したところでリルハ・イルハの右手に遮られた。
「カミュ、あんたはここで待ってな。アタシが行ってくるから」
リルハはそう言い残して軽やかなステップで自陣に向かって走っていく。
カミュは少し微笑んでからクリアボールが飛んできたときのために備えることにした。



ボールを慎重にセットするナスターシャ。少し下がってから隣に立つフィアッカ・マルグリットを見る。
インテルではナスターシャ、もしくはこのフィアッカがフリーキックを担当している。
7割はナスターシャが蹴るのだが、トリックプレーも多用するインテルにおいてナスターシャクラスのフリーキッカーであるフィアッカの存在は重要だった。


「どうする?」
フィアッカが小声でナスターシャに囁きかける。目の前でローマの選手たちが壁を作っているのであるが、明らかに直接狙われるのを警戒しているのが見え見えだ。
この状態ならばショートパスからのトリックもかなり有効に見えなくも無く、そういう意味でフィアッカはナスターシャに意見を求めているのだ。

ナスターシャは全部で6枚の壁を見て首を振る。
明らかに右足で蹴る自分を意識し、ゴール右を塞ぐように壁が作られている。GKのプレシャス・デーデは左端に立って大きな声を出して壁の位置を微調整している。


「そうね、でも期待には応えないといけないわね」
予想通りの答え。フィアッカは無表情のまま首を振る。そして自分が蹴る振りを入れて通過し、そのあとナスターシャが蹴るというプランを提案し、それは了承された。







壁を構成するのは茜、リルハにサンド、アギー、オーラ、ローザの6人。残りの選手はそれぞれインテルの選手のマークにつく。
茜は壁に入り込もうとしたエステル・ヴァルディオラを押しのけながらもボールの前に立つナスターシャを見据える。

世界最高峰の司令塔にして最高峰のフリーキックを持つナスターシャ。
第2回ダイヤモンドカップ決勝戦のフリーキックやこのリーグ戦でも幾度と無くこういうチャンスをものにしてきた。
ナスターシャのフリーキックはカミュのようにGKの虚を突く、というものではなくもっとシンプル。
ただ、壁を越えるなり壁をかわすなりしてコースを正確に打つ。それだけに怖い。
ここを決められると厳しい。
1点ならばまだ気持ちを奮い立たせることも出来るだろうが、2点ならどうだ?
カミュは明らかに負傷の傷が浮き出て精彩を欠いてきている。攻撃の主軸が機能していない今、エースである清水代歩が入っても状況は変わらないだろう。それでも1点ならばなんとかなる、そう思えることが出来る。
そう思うことだけでモチベーションが保てる。

だからここは絶対に止めなければいけない。
勝つために、絶対に。



壁に指示を出し終えたGKプレシャス・デーデはゴールの左隅にポジションして構えた。
壁の隙間からセットされたボールとナスターシャたちの足元も見える。
今までのビデオを見る限りナスターシャはキックに意外性は無い。
厳しいコースを突くが軸足の向きと逆に蹴ったり、そういうフェイクはしない。
だからこそきちんとコースを見定めた上で反応するデーデとの相性は良いはずだ。



ここが山場だ。
絶対に止めるっ!




笛が鳴る。
壁が少しづつ前に動き出す。
まずフィアッカが走り、ボールを通過する。その後ろ、ナスターシャが右足を振り上げた。
エリア内の選手たちの動きが活発化していく。

デーデは軸足の向きを見る。
開いてる、壁を越える右隅だ。
動く、
ナスターシャの右足が振りぬかれる。
壁が一斉にジャンプするが、回転がかかるボールはその僅か上を掠めて抜ける。
壁を越える右隅、デーデの読みとピタリ一致。

デーデはその大きな体と長い腕をいっぱいに伸ばして横っ飛び。弧を描いてゴールに向かうシュートに手を伸ばした。



(いける、止めたっ!)























ザシュッ









やたらと軽い、ボールがゴールネットに収まる音。驚愕の表情を浮かべながら芝生に倒れこむデーデ。
一瞬の後、客席から弾けるような歓声が沸き起こる。

前半33分、インテルが追加点。
ローマにとって、絶望とも言える得点の瞬間だった。



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【2012/02/20 06:35 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0)
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