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【2017/05/23 02:23 】 |
第33節 Internazionale Milano vs Associazione Sportiva Roma 12 執念の果てに



「ちっ!」
インテルセンターバック、セレニーナ・ドミンゲスはエリア内を横切るリルハ・イルハのマークをカレンに受け渡しながら大きく舌打ちをした。





さっきからこの小さなFWがうろうろとして五月蝿い。
エリア内に留まらず、サイドに流れてたりするとマークの受け渡しが大変になる。
体も疲れるが、特に脳が疲れてくる。

アギー・バックからのパスをカットしたカレンが縦パス、ナスターシャ・シルベストリを狙う。が、森下茜が軌道上にあらわれてそのパスをカットした。そして茜からペナルティ・アークのカミュ・ファルコーニへ。
ゴールに背を向けて受けたカミュがダイレクトで左に叩いて中央絞りながら走るオーラ・サネッティが受けてエリア中央にチップキック。飛び込んだリルハだがセレニーナが頭で弾き返した。


(2点でも、心折れないわね…… 意外だったけどそれはそれで)
ナスターシャはローマの攻勢を見て微笑んだ。



「いいわね、あのFWがかき回してるおかげで少しづつスペースが出来ているわ」
メインスタンド、頬杖を突いたままの姿勢で藤崎詩織が呟いた。
インテルは元々人に対しての守備ではなくそのエリアに対しての守備をしているので、リルハのように無軌道(に思える)動く相手に対してのマークの受け渡しは僅かなラグを生む要因になりえる。
だが特筆すべきなのはそこで生まれた僅かな隙をに入り込む選手とそこにボールを送る卓越した戦術眼を持つ選手たちがいることのほうがむしろ重要であり、そういう意味でもローマの組織的な攻勢には目を見張るものがあるといえよう。
ローマはカミュ・ファルコーニという圧倒的なファンタジスタが存在しているおかげでそればかりクローズアップされてしまうことが多いのだが、当然それだけではセリエAのスクデット争いに食い入ることなど不可能であり、それ以外の部分が高レベルであることは忘れてはいけない。

だからこそ、ナスターシャはその根本的な部分を抑えにかかった。
中央で茜がボールを受けた瞬間、ナスターシャの姿が躍り出た。慌てて茜がボールを奪われまいと切り返す。切り返しながらの反転動作の中で茜は右のアギーにパスを送ってナスターシャの体をかわした。




「まだなの?アカネ」




抜ける瞬間、ナスターシャの細い声が耳元で囁かれた。
一瞬狼狽しながらもその声を振り切るように前線に走る。時間は44分を過ぎていた。



右のアギー・バックはアカネのパスを左足でトラップ。右サイド奥に陣取ったリルハに出してすぐに中央に切れ込んだ。前線に向かった茜はその動きを見て右に走る。左のオーラ・サネッティも中央に絞り込む。


前半のうちに1点欲しい!


そういう意志が感じられる動きだった。






右のリルハからのバックパス。
走りながら受けた茜だったがバニア・カモネージとエステル・ヴァルディオラに挟み込まれる格好に。茜はボールを中心にくるりと回って後ろに下がる動きを見せてから前方にボールを突いて二人の隙間を一気に抜ける。
インテルの熟練二人を抜いた瞬間、スタジアムの歓声がヒートアップ。その声を背に受けて茜がサイドを抉ってクロスボールをあげた。
二アサイド、飛び込んだのはカミュ・ファルコーニだった。


(ここだ!ここしかない!)
カミュの右足の痛みは既に頂点に達しようとしていた。
痛みで動きもままならなく、恵美の言っていた通り前半いっぱいが限界なのだろう。
だからここしかない。
だが、カミュの動きに合わせてセレニーナが張り付いていた。
カミュが頭の上くらいの高さのボールにジャンプ。セレニーナも同時にジャンプ。

これがフェイク

カミュはジャンプしながら体全体を捻った。背中を地面に見せる姿勢。いわゆる背面跳びのような姿勢でボールに向かう。が、ジャンプのタイミングを一瞬だけ早くしていたためボールが到達する前に飛び込んだ頭が過ぎる。同時に跳んだセレニーナも同じく。

ここで左足を振り上げた。スパイクの足裏でボールを掠めるように叩く。茜の勢いあるクロスボールはカミュの足裏で軌道を変えるようにインテルゴールに向かった。


だが、その軌道は僅かに枠から外れている。
カミュは背中から地面に落ちながらもその軌道を見て口元を歪めている。


「まだまだぁっ!!」
叫び声の主はリルハ・イルハ。ゴールに向かって飛び込むように跳んだ。インテルGKイリノア・メッシーナもただならぬ事態を察してリルハを止めるべく跳んだ。


ボール、リルハ、そしてイリノアの3身がインテルゴール目の前で交錯し、鈍い音を立てた。
ボールは転々と転がり、ゴール枠から離れたゴールラインを割って外に出た。
イリノアは肩から落ち、右肩を押さえながら立ち上がった。そして……


「ちょ、ちょっと大丈夫っ!?」
イリノアの叫びにも似た声で選手全員がゴール前に殺到した。


ゴールポストに頭からぶつかったリルハ・イルハが額から血を流して倒れていたからだ。







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【2012/03/01 02:43 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0)
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