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【2017/05/24 22:27 】 |
第33節 Internazionale Milano vs Associazione Sportiva Roma 16 電光石火


アギーと代歩が拳を突き合わせたのを見て、膨れっ面の茜がつかつかとその場にやって来る。
そしておもむろに右の拳を二人の前に出した。

「ふたりともずるーい。私もやってやって」

アギーと代歩は同時に苦笑し、順番に拳を出して茜の拳に合わせる。ニコリと笑顔を見せた茜。

「お、何やってるんだ?」
「なんだよ、アタシも仲間に入れろよ」

すると、今度は他の選手たちもわらわらと集まってきて全員が拳を合わせはじめてしまった。
2点ビハインドとは思えない、緊張感のほぐれた試合前のひとコマだった。






『さあ、いよいよ後半戦です。北澤さん、後半はどのような展開になると思われますか?』
『そうですね。インテルはもう2点ありますからそれほど無理攻めはしてこないと思います。逆にローマはこのビハインドを跳ね返していかなければいかないので、やはりカミュと清水を中心として攻勢を強めていかなければいけないんだと思うんですよね』
『確かにそうですね。勝たなければスクデットは無いわけですからね』
『ええ、ここはやはりカミュの力に期待、という感じですかね。後半から入った清水はカミュとのコンビネーションがいいですからね』
『まだまだ勝負の行方はわからない。後半戦キックオフはまもなくですっ!』










ピッチに選手たちが散り、センターサークルにはカミュ・ファルコーニと清水代歩が並んで立つ格好となった。
カミュはセンタースポットにおかれたボールを左足で踏みつける格好で両手を腰に置き、真っ直ぐインテルゴールを見据えている。そして代歩は少し斜に構える格好だがやはりカミュと同じように真っ直ぐインテルゴールを見据えている。

「おい、サダ子」
「サダ子じゃねえよ、ちび助」
「いいか、アタシは最後までいられない。だから」
「だから?」

ふたりは全く目を合わせずに言葉を交し合う。


「だから、5分で1点獲る。15分で3点だ」
「いいね。面白そうじゃんかそれ」



主審が手を挙げ、笛を口にする。




「行くぞ」
「ああ」



大きく笛が吹かれた。
その瞬間、カミュは代歩にボールを転がし、代歩はいきなり前に蹴りだした。
ボールは真っ直ぐ、フィアッカ・マルグリットの顔面正面に。不意を突かれたフィアッカは両腕をクロスして顔をガード、そのガードをボールが叩きつけられた。

(お、重い……!)

フィアッカは後ろに体を仰け反らせる。ボールは勢いを殺されながらふわりと跳ね返る。その軌道に飛び込む銀色の髪、カミュ。胸トラップしながらボールを共に着地、前を見た。
前方にはナスターシャ・シルベストリ。カミュはニコリと微笑むと、その姿に突っ込んでいった。



(前半終了時の様子はとても出てこれる感じではなかった。なのにその元気は何?フェイク?)
ナスターシャは身構えながら考えた。前半終了時、茜に肩を借りながら帰るカミュからは想像つかない姿。

(どんなフェイクも私には通用しないっ!化けの皮剥がしてやるわよ)

カミュは左足でボールをまたいで軸の右足に軽くボールを当てた。そしてその瞬間ぐるりとボールを中心軸に回転、その勢いのまま右に弾けてナスターシャの横を通り過ぎた。


「る、ルーレットっ!!」

ナスターシャを抜いたことでロマニスタからの歓声がひときわ大きく唸りをあげた。カミュは一気にバイタルエリアに侵入、立ちはだかるセレニーナたちDF陣を一瞥、躊躇無く突っ込んだ。

「抜けると思うなっ!ポンコツがぁっ!!」
セレニーナの怒号、その叫び声が終わらない内にカミュはちょんと左足でボールをつついた。
ひどくゆっくりとした速度のボールがコロコロとまるでそんな音を立てそうに転がる。

そう、「転がった」のだ


が、セレニーナもカレンも。そして中央絞って守備についていたバニア・カモネージも反応できなかった。
エリア内に転がるその、「パス」に反応できたのはただひとり。


清水代歩





完全にノーマーク状態で右足を振りぬき、白い軌跡がゴールネットを激しく揺らした。GKイリノア・メッサーラは一歩も動けなかった。
歓声の渦が沸き起こる。
代歩は一瞬にやりと微笑んだがすぐに不機嫌な様子に変わる。
主審の笛が吹かれる。


が、それはゴールを告げる笛ではなかった。







線審が旗を前に突き出していた。
オフサイド。つまりノーゴールの判定だった。










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【2012/03/09 05:54 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0)
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