忍者ブログ
  • 2017.07
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 2017.09
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【2017/08/20 03:39 】 |
スリーピング・テロリスト

「よし、全員収容する。子供と女が先だ。動けるものは手伝えっ!」

戦闘が終了し、眼前に広場に大きな輸送用ヘリが着陸し後部ハッチが開いた。迷彩服の兵士たちはその中に難民たちを次々と誘導していく。
キルシェはライフルを構え、左目に装着したソリトン・レーダーのスイッチを入れた。

これはテレサ・テスタロッサが開発した超小型万能レーダーであり、スイッチ切り替えで望遠鏡、赤外線、暗視、そして熱感知と様々な情報を1台でこなすことが出来る。
しかも暗号式のデータリンク機能も搭載しており、キルシェが見た光景や情報が逐一司令本部の親機へリンクされるように設計されている。
ただ未だ開発中のプロトタイプであり、キルシェや他の兵士たち数人に支給されているが主に正式採用までのデータ収集が目的である。

敵たちを撃退したキルシェたち「ミスリル」であるが、ここは敵陣地。警戒を怠る理由はどこにも存在していない。




周囲を警戒。レーダーの熱感知にも異常は無いが、キルシェはデータよりも自分の察知能力に重きを置いているので熱感知や赤外線のデータはあくまで参考程度にしか考えない。
右耳に装着した超小型無線機のスイッチを入れる。

「こちらヴァルキリー。南側正門方面、異常なし」
「りょーかい。じゃ、あとはB班に任せてゲーボ3に戻って」

この無線機もテッサが開発したもの。耳小骨を直接刺激するので外に絶対音は漏れない。そしてささやきのような小さな声でも骨伝導をしっかり拾うので届いてしまう。ちなみにこれもプロトタイプ(笑)
指示をしたのは戦闘開始時に「パーティ」とスピーカーで叫んだ女性だった。

キルシェはヒジャブと呼ばれるベールを顔に巻きつけ、眼だけ出して顔を隠す。一応イスラム圏であるこの国は女性は顔や肌を隠す習慣が残っており、難民たちに訝しげられないような配慮をした。
歩哨の兵士にライフルを渡し、輸送ヘリの隣にあるゲーボ3(戦闘ヘリ)に向かう。キルシェはこれに乗ってここまで来たのであり、この中に自分の荷物も置いてある。

急に学校を休んでしまったので復習と予習。ついでに宿題も済ませてしまいたいところだ


ゲーボ3に向かうすがら、輸送ヘリに乗る難民たちに眼を向ける。
みな一様に疲れた様子、食や水が不十分なのかやせ細った者も多い。ふとみるとハッチの端で韓国人伍長のヤンが白いチャイナ服を着た少女の肩を担いでいる。

白いチャイナ服?
スリットが大きく開いて白い肌が露出している。そして顔も白い肌。
この国の人間ではない。どうして?


反射的にレーダーのスイッチを入れた。熱感知に合わせると、背中の辺りに低音の棒状のものが見えた。

下を向いていた女の顔が上がった。美しく整った顔立ちを正面から捉えたキルシェ。すぐにわかった。



眼が、血を求めている。






「ヤン!離れろ!」
キルシェが大きな声を出した瞬間、女が担がれていないほうの腕を背中に回して熱感知で見えた棒状のものを取り出す。
湾曲した銀色の刃を持つ


青龍刀


離れようとするヤンの首筋を狙って青龍刀が横に薙ぐ。風を切る音が聞こえたがヤンは僅かの差でそれをかわし、その場に尻餅をついた。
キルシェは腰に挿したSOCOMピストルを抜こうとしたが急な事態で動揺し混乱している難民たちに弾が当たるかもしれないので抜くのを中断。近接戦闘で対処する事を決めた。
女は自分に向かうキルシェの姿を認めると無表情で青龍刀の切っ先を向けた。


まず首を狙って横に薙ぐ。だがキルシェは軽く体を沈めてこれをかわしながら更に踏み込む。が、女の膝が体勢を落としたキルシェの顔面を襲う。左掌で受けながら体を横に向けてかわすが今度は刀を持っていない方の左拳が振られる。キルシェは体を更に傾け転がってそれもかわした。

女は逃げ惑う難民たちを背中にして更にキルシェに襲い掛かる。右手の青龍刀を振りながらまわし蹴りや裏拳など多彩な攻撃でキルシェを圧倒する。キルシェはかわし、受けはするがそこから攻撃に転じない。いや、できないのか?


女が刀を縦に振り下ろす。キルシェは身を振ってかわすが刃先が地面すれすれでまた跳ね上がる。いわゆる「切り返し」という剣術の基本技。キルシェは更に体を振りながらかわし、その動きのまま右の後ろ回し蹴り。
女は腕でガードするものの弾き飛ばされる。
3~4メートル弾かれた女は途中で回転しながら着地。キルシェに正対した。

女が弾き飛ばされた先には既に難民たちはいない。女は常に難民たちを背中にし、銃の使用に制限をかけていた。

だがキルシェの回し蹴り1発でそのアドバンテージが崩れた。キルシェは既に腰のSOCOMピストルを抜いて照準を合わせていた。


躊躇無く発砲。
女は左右に飛び跳ねながら銃弾をかわし、後方に飛び退る。キルシェがマガジン内の銃弾を撃ちつくしたころ、女の姿は荒野に消えうせていた。マガジンを交換し、更に追おうとしたが後ろから肩を掴まれた。

「いいわ、深追いはやめときましょ」

それはキルシェに指示を出していた女性。SRTミスリル特殊工作班の曹長、メリッサ・マオだった。



PR
【2011/06/29 19:35 】 | Killshe's story | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
<<1回戦 Valencia CF vs AS Roma 2  | ホーム | 1回戦 Valencia CF vs AS Roma 1 >>
有り難いご意見
貴重なご意見の投稿














虎カムバック
トラックバックURL

<<前ページ | ホーム | 次ページ>>