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【2017/07/25 09:28 】 |
第33節 Internazionale Milano vs Associazione Sportiva Roma 19 置かれたボール


インテル陣地中央でボールを受けたカミュ・ファルコーニ。フィアッカ・マルグリットが迫るがそのマークを軽い動作でかわすと前を向いてドリブルを開始した。
インテルDFセレニーナ・ドミンゲスは先ほどのスルーパスが脳裏をよぎり、DFラインに張り付いている清水代歩に体を寄せた。




(シミズ?いや右のアカネ?それとも自身で突破?)
ナスターシャ・シルベストリはいくつかの選択肢を頭に思い描きながらその対処を考える。
代歩にはセレニーナが寄せている。いくら切れている代歩だとは言っても南米屈指のCBである彼女から簡単には裏を取ることはできないだろう。カミュの突破に関してもカミュの前方にはカレン・アダミッチとミランダ・ネロが組んで対処に向かっている。後ろは抜かれたばかりのフィアッカが詰めている。
ではもうひとつの選択肢であるアカネへのパスを封じるのが得策か。
ナスターシャはカミュの動きを視野に入れながら茜とのラインを分断するようにコースを潰すポジション取りを意図した。


これで封じたはず。


だが、カミュが見せたのはそのどれにも当てはまらない。
常軌を逸した行動だった。








中央から真っ直ぐドリブルで突進するカミュ。
インテルCBカレン・アダミッチと右サイドミランダ・ネロが前方のコースを潰すように立ちはだかる。
ミランダは攻撃的なサイドバックではあるが、やはりそこはSBとして守備のセオリーもきちんとこなせる。つぶさにコースを潰しながらシュートもスルーパスも出させないよう体を寄せていく。
カレンはミランダのフォローを念頭に置きながらもやはりボールを奪うことを前提とした寄せを意図する。

カミュとカレンたちの距離が縮まる。
その時、不意にカミュのドリブルスピードが落ちる。
ほぼ全力疾走の状態から歩く速度まで一瞬で落とし、


ペナルティ・アークの頂点付近で止まった。
両足の間にボールを置いたまま、呆然とその場に立ち尽くした。



(とまった?)
(え、何?何やってるのコイツ……?)



目線が定まってる様子ではなく、誰が見てもぼんやりしている風に立ち尽くすカミュ・ファルコーニ。
カレンとミランダはそれが意図することが完全に見えず、同じように呆然とその姿に見入ってしまった。


「何やってる!ボールを獲れよ!!」
後方、GKイリノア・メッサーラの怒鳴り声ではっと我に帰るふたり。同じようにその光景に目を奪われたフィアッカも同時に我に帰り、憤怒の形相で寄せ始める。
その時、カミュの左手が点を指した。
そして上空を見上げ、



「あっ」



小さく呟いた。




カレン、ミランダ、フィアッカがカミュの指差す先に視線を移そうとした瞬間、カミュの体が沈んだ。
左右に上体を振り、一瞬で左に弾けた。
瞬間、代歩が体を振ってDFラインの裏に抜ける動き。だがセレニーナの右腕が代歩の鼻先に伸び、その動きが寸断された。
そして……


だが、カレンたち3人はカミュのその動きに反応。追いすがる。


「ふざけるな!そんなこけおどしに騙されるかっ!!」
カレンが怒鳴りながら肩を当てる。カミュは微笑を絶やさずに小さな声で呟いた。



「そうだよね、でもお前らもう騙されてるんだよ」













まるで嘲笑うかのような言い方にカレンの血が逆流。激しくカミュの体を押しながら右足を出す。
だが、そこにあるはずのボールが無い。
ミランダも、フィアッカもボールを掠め取った訳ではなかった。



消えた??



まさか……



カミュはカレンに肩を押し当てられながらも反転、中央に顔を向けた。
ボールはあった。
カミュが立ち尽くしていた場所にそのまま。
弾けたのはカミュ自身だけ。ボールはそこから微動だにしていなかった。

そこに走りこむのは中央にポジションチェンジをしたアギー・バックがエステルを引き連れたままそこに「置かれた」ボールに走りこむ。
カレンとミランダが潰していたシュートコースだったが、左に弾けたカミュを追うためにその場所がぽっかり開いた。
アギーが右足を振りかぶる。その先には苦虫を噛み潰したような表情のイリノア・メッサーラが慌てて構えを取っているだけだった。


躊躇無く振りぬく。
ゴール右下隅。イリノアは反応し、大きな体を投げ出して横っ飛び。だがシュートスピードが遥かに勝っていた。
白いボールは誰にも触れることなくインテルゴールに突き刺さった。


後半6分。
ローマが反撃の狼煙となるゴールを叩き込んだ瞬間だった。
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【2012/03/17 22:45 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0)
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