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【2017/07/25 09:32 】 |
第33節 Internazionale Milano vs Associazione Sportiva Roma 28 彼女の選択



試合は後半30分を越え、ますますヒートアップしていく。
1点差を追うASローマは森下茜を中心として攻撃を加速させる。
1点リードのインテルミラノは攻守のバランスを維持しつつ、試合を決めるための追加点を狙っている。
試合開始から続く歓声は留まることを知らず、むしろ更にボルテージを増している風に感じた。





フィアッカ・マルグリットの左目が赤く燃えたように感じたその刹那、鋭いパスがエリア内に飛び込む。
キッカ・コスタクルタの脇を反転して駆け抜けたティアナ・バイオレットが左足を大きく伸ばし、そのインサイドでボールをトラップ。そのままの流れで速いモーションのシュートを放つ。
だがシュートはコースを読んだプレシャス・デーデの右手に阻まれる。
ふわりと宙に浮いたボールをカーリー・コンティとパオラ・ファウネルが競り合い、僅かの差でパオラが競り勝って頭でクリア。左タッチラインの外を狙って叩いたが走りこんだミア・クレメンティスが確保。すぐさまサンド・フィオーリがマークに付き、ミアは後方中央のフィーナ・ファム・アーシュライトにボールを戻す。フィーナからナスターシャ・シルベストリに繋がれ、ナスターシャの眼前に森下茜が躍り出るとスタジアムから低い唸り声のような歓声が響いてくる。


「橘、ウィルマを準備させろ」
「は、はい」
Bucchiiが指示を出す。恵美は少し驚いた風に頷くとテクニカルエリアから離れてベンチに戻る。
ここでウィルマ・ビショップ?
確かに右のローザ・ベルガメリは限界に近いが守備的なビショップを投入というのは腑に落ちない。
1点差であり、攻撃に主軸を置くならばもう少し攻撃的な選手を送るべきだ。
しかも未だにカミュ・ファルコーニをピッチに残しているというのは正気の沙汰とも思えない。
恵美は後半開始からアップを続け、既に一息ついていた控え選手の中からウィルマ・ビショップを。
そして、イルマ・ベルットットにブランシュ・ドミにも声をかけた。
イルマは中盤ならある程度どこでも出来る選手であり、ブランシュはキャリアの長いFW。

コーチとしての独断ではあるが、必ず必要になると確信しての事だった。



中盤、バイタルエリア手前でナスターシャと茜の1対1。
ナスターシャは右足の裏で器用にボールを動かしながら下がる。茜は体ごと吹き飛ばすような勢いで詰める。


(更にパワーアップ? 凄いわ)
前半の1対1に比べて茜のタックルの強さが段違いであることにナスターシャは驚き、歓喜していた。
タックルの強さだけではない。ナスターシャが意図するパスコースを殆ど潰すように体を寄せる狡猾さも舌を巻くほどだ。

(これが神の子?いえ、アカネ本来の力?どちらでもいいわ……)

ナスターシャは腰をぐっと落として茜のタックルを受け止める。そして肩で受けた支点でぐるりと反転しながら前を向いた。


(その力に勝つことこそが、至上の喜びっ!!)



茜をかわしたナスターシャが前線を見据える。そして右足を振りぬいて矢のようなパスを出した。
エリアの密集地帯の僅かな隙間を狙う正確無比なパス。
そして、反応したのはやはり、


ティアナ・バイオレット


ナスターシャのパスはアギー・バック、そしてキッカの伸ばした足の僅か先を抜ける。
そしてDFラインの裏を絶妙なタイミングで抜けたティアナの足元にしっかり収まった。
大きく足を伸ばして転倒するキッカが倒れながら線審を仰ぎ見るが、旗を動かす様子は見えなかった。


受けたティアナがニヤリと微笑みながら右足を振り上げてシュート体勢。
が、その表情が驚愕に変わった。



「うおおおおおおおっ!!」



眼前に雄叫びをあげながら黒い巨体、プレシャス・デーデが飛び込んでいたからだ。
ティアナは顔を歪めながら強引に右足を振りぬいた。


がつりと鈍い音を立ててボールが宙を舞う。
エリアを越えて跳ね返されたボール。その落下点には既に茜が待ち構えていた。
胸でトラップ。足元に納めた瞬間。真横からナスターシャの激しいタックル。が、茜の上体はびくりとも動かない。続けざまにナスターシャは足を出すがそれも茜はかわす。

だが、そのままキープ。
自陣の危険なエリア。その場でのキープというのは常軌を逸してる。
後方からフィアッカ・マルグリットとカーリー・コンティが囲いこみに参加してくる。当然ここで奪えは特大チャンスになる。


だがキープ


1秒、
2秒、
3秒、
4秒、
5秒、


左サイドのオーラ・サネッティ、そして右サイドのアギー・バックが同時に走り出す。
前線清水代歩もセレニーナ・ドミンゲスとの争いに拍車をかける。



少し離れた場所、エステル・ヴァルディオラが更に囲い込みに参加しようと一歩を踏み出した瞬間。
茜の右足からパスが放たれた。
その瞬間、ナスターシャ、フィアッカ、カーリーと3人のタックルで茜の体が崩折れた。





パスは、オーラでも、アギーでも、代歩を狙ったものでもなかった。

センターサークルの少し右後ろでずっと時を止めていたその場所にパスは送られた。









カミュ・ファルコーニがそのパスをトラップした。








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【2012/05/14 11:26 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0)
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