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【2017/10/21 23:10 】 |
第33節 Internazionale Milano vs Associazione Sportiva Roma 38 ふたり


―ねえ、代歩ちゃん。覚えてる?初めて出会ったときのこと―

―ああ、忘れるはず無いよ。あれから5年?いや6年かな?―

―そうだね…… ねえ代歩ちゃん。私、気がついたことがあるんだ―

―ん、何に気がついたんだ?―

―私が、ローマに来た理由―








茜のパスはセレニーナ・ドミンゲスが茜のミドルシュートを警戒してコースを切る寸前のセレニーナの足元を狙ったものだった。つまりセレニーナが代歩のマークを続けていれば苦も無くカットできたボール。
だが、動いてしまった。
気がついていても逆に体は動いており、もう止めることはかなわない。

あの日本人はこのパスを通すために自分たちを燻りだすようなミドルシュートを打ち続けていたのか。
しかも中途半端なシュートならまだしも、あれだけ危険を感じさせるロケットのようなシュート。
当然、自分だってカレンだってシュートを警戒してしまう。
そもそもあの内輪揉め自体も煙幕になっていたんだな。どこまで狡猾なんだあの野郎



完全に、やられたよ



セレニーナが自責と後悔の念に曝されながらボールの行方を追っていると、不意にそのコースに滑り込む足が見えた。

それは、ナスターシャ・シルベストリのスライディングだった。














寸前で謎が解けたわ
胸にもやもやしていた違和感の正体

あの内輪揉め、アカネはイタリア語で、「あてにならない」と言った。
シミズを抱きしめながら言った。

何故日本語じゃないの?
何故抱きしめるの?

アカネとシミズはジャポネなんだから、シミズが日本語で言ったなら日本語で返すほうが自然
それなのにイタリア語で返したのは、


私たちに聞かせたかったからでしょ?


アカネは親愛の情をあらわす時は、決まって相手の体を触る、抱きしめる
そのフェイクに気がついてほしかったからでしょ?
シミズだけに気がついてほしかったからでしょ?


終了間際から、あれだけフェイクを重ねるなんて、大胆すぎるわよね
この時間、この場面がくることを信じてたのね
仲間を、信じてたのね

本当に、凄い子よ
あなたは



でも、読みきったわ
私の、



勝ち















パスコースにナスターシャの右足が入り込んだ。
完全に間に合った。


























―ローマに来た理由?―


―うん、きっと私は、このパスを代歩ちゃんに届けるためにローマに来たんだよ―


―ああ、なるほどな。アタシたちはお互いに追いかけあって、ここまで来たんだもんな―


―うん、そうだよ―


―じゃ、多分アタシも、このパスを受けるためにローマに来たんだな、きっと―


―えへへ、そうだといいな―
















茜が顔を上げ、スライディングでパスコースに入り込んだナスターシャを見据えた。
代歩は切れ込む動作をやめない。

(ナーシャ、読んだんだね。やっぱり凄いね、でも)
(そのパスは、私たちの6年間が詰まってるんだよ)














ナスターシャの右足にボールが弾かれようとした瞬間、
ありえないことが起こる














ボールが、ナスターシャの足をすり抜けた。
ナスターシャの目が驚愕で見開かれる。















(だから、止められるわけ、ないんだよ)


















ナスターシャの足をすり抜けたボールは踏み込んだ代歩の左足の内側に綺麗に収まった。




(茜、お前のパスは優しいな。本当に、お前らしい)





代歩が右足を振りぬく。
白い稜線が紙吹雪を舞い上げ、風を切る
イリノア・メッサーラが飛びつく。


が、届かず



轟音を撒き散らせながらシュートはネットに突き刺さった。
しんと静まった場内。

そこに、ゴールを告げる主審の笛の音が響き渡った。
その数瞬後、試合終了を告げる3つの笛も同じく主審の口から吹き鳴らされた。





スタジアムが、歓声で爆発した


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【2012/06/17 05:08 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0)
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