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【2017/05/23 02:18 】 |
チャンピオンシップで待ってるわ


あの激闘のインテル×ローマの試合から一晩明けた快晴のこの日、ローマにあるホテルから女性たちの声がする。






「えっと、あの本当にいいんですか?私LCCの選手じゃないのですが…」
「いいっていいって!呉越同舟よー戦の友よー愛のラグランジェよー」
「菜由、それは違う」

ちゃっちゃとホテルのフロントに会計を済ましていた菜由に佐野倉恵壬がおずおずといった感じで声をかけている様子。
太っ腹なのはいいかもしれないが、きっとあとで経理のあの人に怒られる姿が目に浮かんでしょうがないキルシェだったがあえてそれは口にしないことにした。


「さて、みんなはこれからどうするの?」
菜由が皆を見渡してそう聞く。恵壬は少し考えてからまず口を開いた。

「私は、とりあえず日本に帰ります。しばらくオフですし」
「キルシェも日本に帰る。出席日数が本当にマズイ」
恵壬に続いてキルシェがぶっすりとそう答える。
本当ならばレナードの件もあり、菜由のそばを片時も離れたくは無いのだが既にテレサ・テスタロッサには報告済みであり、ミスリスの欧州統括部隊から人が既に寄越されている。
それにきっとレナードはもう近くにはいない。キルシェの戦士としての勘がそう思わせている。

「私はドイツに戻るよ。すぐに開幕だしねー」
咲野明日香はのんびりとした調子でそう言う。するとその右腕に菜由が絡まってきた。

「じゃ、私も明日香と一緒にドイツ行くわ」
「そうなの?何か用事?」
「まあね、代表の合宿の件とか親善試合の御前立てとか色々ね。ま、あとはー」
そこまで言って菜由は指を口元でちちちーと振った。

「あとはアジア予選の代表メンバーを貸してもらえるように各チームに根回しね」
「へえ、もう決まってるの?」
明日香が聞くと菜由は2度頷いた。

「夕べハーレン監督から暫定のリスト頂いてね。ま、海外組だけだけどね」
「へえ、誰かしら」

菜由は少し考えてからそのリストを恵壬、明日香に見せた。


   清水代歩(ローマ)
   森下茜(ローマ)
   佐野倉恵壬(ヴァレンシア)
   牧原優紀子(アントワープ)
   桐屋里未(サンフランシスコ・ロッカーズ)
   咲野明日香(ドルトムント)
   宮藤芳佳(ビーレフェルト)




「お、私はいってるー」
「ええ、かなり豪華な顔ぶれになりそうですね」
「まあね、アジアのレベルもどんどん上がってるし、戦力の出し惜しみをして予選落ちしたら目も当てられないわ」

「へえ、どれどれ」
不意に皆の中に顔を入れてきたのは松葉杖の藤崎詩織だった。彼女は先ほど部屋から出てきたところだった。

「優紀子ちゃんに私の代わりは務まるかしらね」
詩織はリストを見て悪戯っぽい含み笑いを見せた。
「ねえ詩織、あなたはこれからどうする?」
菜由がそう聞くと詩織はリストから目を離し、瞬時に背筋を伸ばした。

「アメリカに帰るわ」

そして微笑んで首を僅かに傾けてから―


「リハビリしないと。復帰に向けて」


それを聞いた瞬間、菜由に明日香、そして恵壬の顔が笑顔で満ちた。
昨日の試合前は引退するつもり満々だった詩織だったが、どういう訳だろう。


「ま、あんな試合みせられちゃったらね……」
詩織はそう言って長い髪をかきあげた。上質のシャンプーの香りがロビーを包んでいく。

「ね、神谷さん。ひとつ頼まれてくれるかしら?」
「なあに?詩織の頼みだったら何でも聞くわよ」

詩織はまた微笑んだ。


「清水さんと森下さんに会ったら、『チャンピオンシップで会いましょう』って伝えてくれる?」

菜由が頷くのを見て、詩織はまたもう一度微笑みを浮かべた。




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【2012/06/24 07:27 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0)
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