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【2017/07/26 19:42 】 |
ちょっとした繋ぎ的な(笑)


「海?」
菜由がそう聞き返すとキルシェはこくりと頷いた。






新横浜駅、スーツケースを引きずり、大きなリュックを背負った菜由が改札をくぐってコンコースに出る。
その視線の先には褐色の少女、キルシェの小さな姿があった。


「海?」
菜由がそう聞き返すとキルシェはこくりと頷いた。

駅からLCC事務所への道すがら、キルシェは菜由から渡されたスーツケースを引きずる。菜由はリュックを背負いなおす。

「うむ、終業式の次の日から2泊3日だがいいか?」
「まあ、私はしばらく日本だし、問題ないわね」
「そうか」
口調はあまり変わらないが僅かに喜びを見せるキルシェの表情。
初めて会ったとき、キルシェはまさに機械だった。今だからそう思う。
自分の命を奪うために差し向けられていた暗殺者だった。

日々はそんな暗殺者だった彼女を変えていった。
その日々に自分は貢献できていたのか?
貢献できていたはずだ。

菜由は力いっぱいの笑顔をキルシェに見せた。
いつまでも、こんな日々が続けばいいと


「そういえばかすみがイタリアのホテルの明細を見て怒っていたぞ」

ぐあ、忘れてたぜ(笑)
菜由は会計担当の七瀬かすみの怒号を思い返して肩を落とした。


















「さて、キルシェさんが提出してくれたレポートについてですが」
株式会社ダナン横浜支部ビル。
菜由と別れたキルシェは新横浜LCCから歩いて15分ほどにある7階建てのダナンの持ちビルを訪れていた。
そこには㈱ダナンの代表取締役でありTMFA代表、更にミスリルの戦隊長であるテレサ・テスタロッサが訪問していた。
というよりはキルシェに会うためにテッサが足を向けたというのが正しいのか。
支社長室の奥にある小型の会議室でテッサとキルシェが向かい合い、テッサの後ろにはいつものようにカリーニンが付き従っている。

「レナード・テスタロッサについて、こちらの調査部でも調べました。カリーニンさん」
「は、大佐どの」
テッサがカリーニンに水を向けるとカリーニンは小脇に抱えていた資料を開いた。

「これはミスリルでも大筋で把握していたことですが、今回キルシェ殿の情報との整合の中で確定しました」
カリーニンはここまで読んで息をついた。

「評議会と統和機構は、ひとつの集合体になっています」

裏の軍事界にとってはこのふたつのシステム機構が合併しているということは驚くべきことである。
どちらの組織も裏から世界の政治、経済、果ては文化までも操る組織である。
統和機構は主にアジア・オセアニア地域、評議会は欧州欧米等をその拠点としていた。

「そうですね。日本に評議会が手を伸ばし始めていた頃から危惧されていた問題だったのですが、具体化されたということです」
テッサがそう付け加えた。

このふたつの組織は元々思想や目的などにかよる部分も多く、歴史的に見れば人材やテクノロジーの交流もあったとされている。
だから手を組むというのは自然ではあるのだが、そこにはお金や権力の動きなどさまざまな問題が絡みついているはずだ。
それらの問題を解決し、ふたつの組織を繋げた人物というのが、


レナード・テスタロッサ



「テッサ、奴は本当にテッサの兄妹なのか?」
キルシェがそう聞くとテッサは椅子から立ち上がり、ややあってから頷いた。
「そうです。既に袂を分かっていますが彼は私の兄です」

そう言ったときのテッサの表情は一瞬だけ憂いが見えたように感じたが、すぐにいつもの凛とした意志の強そうな表情に見えた。












「海、ですか?」
一通りの話が終わり、雑談モードに入ったときにキルシェは切り出した。
「うむ、来週終業式終わったら2泊3日で行って来る。申し訳ないがその間任務はできない」
「へえー……」
テッサは少しぼんやりしたようにそう答え、天井を見ながらなにか考え事をしているように見えた。
なんとなく、なんとなくだが嫌な予感がキルシェの脳裏を駆け巡った。







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【2012/06/29 06:42 】 | Killshe's story | 有り難いご意見(0)
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