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【2017/04/24 00:54 】 |
【鋼鉄の巨人】 評議会の視察


沈んでいく潜水艇たち。
浮き上がる少女たち。
それぞれの地点から、黒い影のような島、サルベージ島を目指していく





サルベージ島中央部施設管理棟指令本部。
核中間廃棄施設の名残か、意外にも管理用の機器が取り揃えられており、それを演習用に使いなおすには造作もない準備だった。
 
「フェイズ3までは完全に終了。ここまでは滞りなくですね」
大きなモニターに映し出されたデータを見ながらアッシュブロンドの青年はそう呟いた。その隣には白い長い髪の少女が従っている。
 
「ええ、部隊との連動性にも今のところ問題は見られません。今すぐ実戦配備でもほとんど問題ないかと」
それを言うのはスーツ姿、眼鏡姿の若い男。
アッシュブロンドの青年、レナード・テスタロッサは少しだけ侮蔑を含んだ視線をその男に投げかけるが男は気がついているのかどうかわからないが、その視線をかわすように下を向いて笑う。
 
「しかし、『評議会』のお偉いさんが視察に来るなどと、我等『トライデント』もまだまだ捨てたものではないようですね」
 
男のその言葉は明らかにレナードに対する皮肉たっぷりなのだがレナードは涼しい顔でこれを受け流している。
 
紀州での「COSMOS」の作戦失敗以降、「評議会」と「トライデント」との関係はあまり良いとはいえない。
「トライデント」を全面支援していたアジア地区担当であったフェイトはこの後更迭。新たにアジア地区を任されたレナードは「統和機構」の技術継承を画策し、組織を吸収合併したことから兵器屋としての「トライデント」は取り残される形となっていた。
 
世界の経済・軍事バランスを一手に引き受けている「評議会」の信頼を失いつつあった「トライデント」にとってこれは由々しき事態であり、今後組織として生き残るためには元統和機構以上のインパクトと実践的観点の物を示す必要があった。
 
世界の軍事バランスをひっくり返すほどの強大な軍事兵器。
 
 
レナードたちの眼下にはその巨大兵器が鎮座している。
確かにこれならば今の核による威嚇的軍事均衡を簡単にひっくり返すだけの戦略的要素はあるだろう。
 
 
「まあ、これだけ大規模に演習を画策したんだ。その内色々な敵対組織や国家が動き出すことは念頭に入れたほうがいいと思うよ」
レナードの言葉に眼鏡の男、ラリー・マーカスンが薄笑いを浮かべる。
この島はアメリカとロシアの相互監視を受けているためにその2大国家との関係を重視するならば「見て見ぬ振り」というのが得策に思えるが、そこで開発されているものが戦術核兵器となれば話は別だ。
世界の軍事バランスはどれだけ強大な兵器をどれだけ保有しているかという事だ。
そのバランスを崩すほどの兵器ならば、どこの国家も黙ってはいない。
 
 
「ええ、先ほどから周辺海域に所属不明の潜水艦らしきものは確認しています。ただこちらの迎撃や発見を恐れてそれ以上近づいてはいないようですね。それに民間の衛星が軌道を変えてこちらの調査している形跡も確認済みですよ」
 
それを聞いてレナードはすぐにわかった。
 
「なるほど、『ミスリル』だね」
「ええ、我らにとっては仇敵とも言える相手ですよ」
ラリーは喉を鳴らすようにくくくっと笑った。
 
 
 
 
 
 
キルシェは1時間ほど泳ぎ、既に島の南岸である岩壁に上陸していた。
それまで遠泳をサポートしていた足ひれを脱ぎ、海に投げ捨てる。
背中のバックパックを下ろして中から黒色の野戦服を取り出し、AMスーツの上から羽織る。更にバックパックの奥からサイレンサー付きのSOCOMピストルを出して動作確認し、腰のホルスターにしまう。愛用のオリハルコン製コンバットナイフも取り出して腰ベルトに取り付ける。
そして最後にゴムを出して長い髪を後ろに纏め上げるとやはりバックパックを海面に捨てた。
 
音を立てず、慎重に岩壁を登る。時折ソリトンレーダーを起動させ、周囲を確認しつつ最大限の注意を払っていく。
程なく岩壁の頂上までたどり着いたキルシェは久しぶりの平坦な地面に多少安心しながらも周囲を警戒、近くの木に体を隠して小耳骨に取り付けた無線機のスイッチを入れた。
 
 
『こちらヴァルキリー、島の南岸に到着した。今のところ敵兵の姿は確認できない』
程なく耳の奥から聞きなれた少女の声が聞こえる。
『了解。それでは東西岸のふたりが到着するまで少し時間がありますので、それまで無理をせずに前進を』
無線機の奥から凛とした、テッサの声が聞こえる。普段のおっとりとした物言いとは違いその声は、威厳を感じさせる。
『了解』
無線機のスイッチを切り、キルシェは闇にまぎれるように前進を開始した。
 
 
 
 

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【2012/07/30 00:45 】 | Killshe's story | 有り難いご意見(0)
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