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【2017/11/23 06:44 】 |
【鋼鉄の巨人】 同じ目論見


キルシェは匍匐姿勢のまま小高い丘の上に身を潜めつつ、ヘリポートのハインドに乗り込もうとするレナードとベネッサの姿を見据えていた。





菜由はダナン船内、司令部後ろの長椅子に腰掛けたまま、正面の艦長席に座るテッサを見つめていた。
ただ菜由の場所からは艦長席は背中側しか見えず、肝心のテッサの姿は背もたれに隠れて殆ど見えない。

(テッサ…… レナードってあなたのお兄さんなんでしょ?どうして戦うの?)

キルシェが無線機越しにレナードの名前を言った瞬間、確かにテッサは動揺した口調をさせていたが既にその面影は微塵も見当たらない。
今はさっきまでの艦長であるテレサ・テスタロッサそのものだ。

イタリアでレナードに会ったときに確かにふたりは袂を分ったということは言っていたが、彼女も同じ気持ちなのか?
血をわけた兄妹ではないのか?

それとも、敵同士であれば肉親さえも手にかけるのが戦場であり、戦争なのか?
そんな世界にずっと身を委ねていたの?あなたは……

相変わらず凛とした小気味良い声を響かせるテッサの声を聞きながら菜由はそんなことを考えていた。











「しかし、彼女がここに残るというのは以外だったな」
先にヘリに乗り込んだレナード・テスタロッサは微笑みを絶やさずにあとから乗り込んでくるベネッサ・ルイスにそう言った。ベネッサは殆ど表情を変えずにレナードを一瞥すると向かい合わせの椅子の反対に陣取ってレナードと顔を付き合わせる格好になる。
「夏玉蘭か?中東で奴と戦って以来、どうもお気に入りのご様子だ」
「ふうん、そうなんだ」
レナードはそう言ってから少し考え、そしてベネッサに顔を近づけてまた微笑んだ。

「では、君はどうなんだい?ベネッサ」
「戦場に好き嫌いとかの私情は挟まない。あんたが残らないなら私だけがここに残る理由は無い」
レナードの問いに即答するベネッサ。レナードは一人で納得したようにうんうんと頷く。
ふたりが乗り込んだハインドのローターが勢いよく回転を始め、離陸がまもなくだと知らせてくれる。

「まあ、彼女だけじゃかわいそうだから、僕の玩具も置いていったけどね」
「ふん、あの『巨人』か?暴走したら事だと思うが?」
「そんな事は起こらないよ。まあ別に暴走しても構わないけどね」

相変わらずの飄々としたその態度にベネッサは多少の苛つきを覚えていた。
実力もあり、頭も切れるこの男だがこの人を馬鹿にしたような態度は気に入らない。
ただ上官であるという事だけで彼女はこのイラつく男についていっているだけだ。仲間としては最悪の部類だ。

ローターの回転が強くなり、ハインドが地面から離れて浮かび上がる。ぐんと軽いGがかかり、ヘリは垂直に空を目指す。
そんな中、レナードは小さなパソコンを開き、通信画面を映している。

「ふむ、海底の戦艦に動きは無いみたいだね」
「見てるだけ?なのか、レナード」
「そうじゃないだろう。恐らく小型潜水艇なんかを使って2名、いや3名ほどの兵士を送っているはずだ」
「じゃあ……」
「ああ、すでに基地の周りをうろうろしてる頃合じゃないか?」


ベネッサはそれを聞いて地面を覗き込む。
あの潜水艦が「ミスリル」のものだとしたら、恐らく今回の作戦に奴はいるはずだ。
今現在、アジア地区のミスリル戦隊はイスラエルに多くの人員を割いているはずだ。それを利用して「トライデント」はこの演習を行っている部分もある。だからこの作戦に多くの正規兵を使う余裕は無いはずだ。
奴、キルシェ・アーカイラムは「ミスリル」の正規兵ではなく、義勇兵扱いだと聞いている。だから「ミスリル」の台所事情も考えれば奴がこの作戦に使われている可能性はかなり高い。夏玉蘭の目論みは成功しているということだ。

「だが、たったの3名で何が出来る?」
「たったの3名だからこそ、隠密に任務を遂行できるんだよ」
レナードはそう答えてパソコンの画面をベネッサに見せた。そこには島全体の見取り図が映っていた。

「恐らく、島の南と東西から同時に侵入。東の兵士はそのまま通信棟を上がって基地の通信網をコンピューターウイルスで破壊。西の兵士はこの武器庫を制圧。南の兵士はその作業を見計らって目的の兵器を破壊か、動作不能にしつつ開発データを奪還、みたいな流れかな」
「なるほど、な……」
ベネッサは妙に納得しながら頷いた。そしてもう一度、ヘリから地上を見下ろした。既に高度100メートルほど上がっただろうか、木々の緑と基地の白い壁が小さく見えていた。









『こちらウルズ13、基地東に到着』
『こちらチェリー……基地西側に到着』
キルシェの無線機にそんな声が聞こえてくる。既にレナードたちの乗ったハインドは上空高く離れており、キルシェはヘリから目を離してヘリポート付近の兵の配置を確かめていた。

『皆さんご苦労様です。では作戦を確認します』
テッサの声が無線機から聞こえてくる。キルシェはそれを聞きながらゆっくりと前進を開始した。
兵士の数はそれほど多くは無い。10分もかからずに基地内部に潜入できるだろう。

『ウルズ13はそのまま基地内部、通信棟に潜入し、あなたに持たせたメモリーチップのウイルスを通信機器に流し込ませてください』
『ウルズ13、了解』
『チェリーは基地内部、西側にあるとう推定される武器弾薬庫を確保。トライデントの戦力を削いだ上、脱出路の確保』
『……了解』
『ヴァルキリー、あなたは兵器棟内部に潜入し、開発データの確保とそこにあるはずの新型核兵器の無力化を最優先で』
『了解だ』


『では、各員健闘を祈る』




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【2012/08/13 19:33 】 | Killshe's story | 有り難いご意見(2)
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有り難いご意見
お久しぶりです
お元気でしょうか。
最近見てなくて久々に見たら、あれまキルシェちゃんが久々に登場ですな。

先の展開がまだ見えず、今後楽しみです。

続きを楽しみにしてますので、お体には気を付けてくださいな。

ではでは。
【2012/08/24 23:16】| | B@HAN #7ff353e192 [ 編集 ]


無題
こんにちわ。
お久しぶり&コメントありがとうございます。
最近はもうひとつの創作ブログが面白くなってしまってちょっと放置気味でした(笑)

花桜梨ちゃんも活躍する?この話、少しづつですが進めていくので期待しててください。
ではそちらこそ残暑が厳しいのでお体ご自愛くださいませ
【2012/08/26 17:37】| | Bucchii #4f08fb5f61 [ 編集 ]


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