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【2017/05/23 02:21 】 |
【鋼鉄の巨人】 三様の敵


キルシェはヘリポート付近を巡回する兵士たちの隙を見ながら前進。小柄な体を利用して通気ダクトから基地内部に潜入を成功させていた。






基地東に到着したウルズ13、サーティだったが目の前4メートルにも及ぶフェンスを見て顔をしかめた。
フェンスには有刺鉄線が張り巡らされており、定石どおり高圧電流も流れている。
サーティはフェンス越しに施設内を探り、巡回の兵士が通り過ぎたときを見計らってフェンスの前に立つ。
野戦服の中に着込んだAMスーツの腕のつまみを回す。スーツが伸縮して体を強く締め付ける。
そして腰を落として跳ねた。

人口筋肉が同時に伸縮し、想像以上の力がサーティにかかり、軽く跳ねただけの体は5メートルをゆうに越し、サーティはフェンスを飛び越えた。
音もなく着地したのは基地内の茂みの中。サーティは中腰のまま北周りに進んだ。




基地西側。外と基地内部を結ぶ黒い鉄製のドアが軋んだ音を立ててゆっくりと開いた。
ドアの前に立つ歩哨の兵士が振り返ると、顔の殆どをフードで覆った交代兵士が敬礼をする。歩哨の兵士は敬礼を返して任務を交代する。
チェリーこと、八重花桜梨はその僅かな隙を見逃さずに接近。重なる兵士を同時に視界の外から打撃。一瞬で気絶させた。
交代兵士は外の壁にもたれかけさせて、今まで歩哨をしていた兵士はドアの内側に座らせた。これで起きても気絶ではなく居眠りをしていたと錯覚してくれる可能性が高い。だが起きるまでの時間をかけるつもりも無かった。
花桜梨は通路を軽い動作で走った。




キルシェは通気ダクトの排気口の網を丁寧に外してから基地内部通路に飛び降りた。野戦服に付いた埃を払ってから通路を歩く。思ったとおり内部の警備は手薄であり、巡回する兵士を確認できない。警戒を怠らず、慎重に前進を開始する。

「こちらヴァルキリー。通路最奥にエレベーター。地下に向かっているがどうする?」
キルシェは無線機に向かって囁く。ほどなくテッサの声が返ってくる。

『ではそのまま地下へお願いします。恐らく地下には核ミサイル貯蔵施設があるはずです。ミサイル自体は無いと思いますが念のため放射線カウンターをモニタリングします』
キルシェは了解、と小さく呟くと昇降スイッチを押してエレベーターの扉を開けた。












奇妙な違和感だった。
サーティは北周りに基地外側を進み、通信棟が見えるグラウンドのような開けた場所に来た。
端の茂みに隠れながら左目に付けたソリトン・レーダーを起動。望遠モードで確認するが兵士の姿が確認できない。
ここに来るまでに会った歩哨の兵士はたったひとり。それも物陰に隠れて楽にかわした。


いくらなんでも警備が薄い。薄すぎる。
新型の兵器の開発ならばスパイや、自分たちのような人間が来ることも十分予想されて警備が厳重になるものではないのか?
秘密裏に、そして大国の後ろ盾があることが厳重にしない理由なのか?
どうにも腑に落ちないと感じながらサーティは望遠モードのまま熱源モードを重ねて周囲を見渡した。


!!


いる。
誰かがいる。
熱源モードをオフにして望遠の倍率を上げる。レンズの中心に黒光りする銃口を捉えた。
その瞬間その口から火を吹かれた。
サーティは瞬間的に身をよじって射線を回避した。



銃声がしない。サイレンサーか?
ならばロシア製の狙撃銃、7ミリ製か。ドラグノフ?もしくはそれに類する改造銃かもしれない。
どちらにしても観測者もいないシングルの狙撃兵なんて聞いたことがない。茂みの中で転がりながら銃口のあった場所を覗いたが、当然既に姿が消えている。
サーティは木の幹に体を隠して背中を預け、M-16を構えながら無線機のスイッチを入れた。

「こちらウルズ13。通信棟前広場にて狙撃を受けた。相手はひとりだ」





花桜梨は「火薬庫」と書かれたプレートの下がった扉を開ける。鍵はかかっていなかった。
意外に広い室内。壁沿いに4段の棚がしつらえており、その上にダンボールが隙間なくびっしりと置かれている。
鼻をつく火薬の匂い。確かにここは火薬、それに弾薬も置いてあるようだ。
花桜梨が周囲を見渡そうと視線を動かした瞬間。その目が止まる。
部屋の隅に人がいる。

女か?
白いチャイナ服を着て右手に銀色の刀身の青龍刀を持った中国系の顔立ちの女性が花桜梨を見据えて不敵に微笑んでいる。
女が一歩前に進み出る。花桜梨は後ずさりしながら背中に背負った刀を抜き放った。


「奴じゃないのか…… まあいい、侵入者は即刻排除だ」
女はそう呟いき、花桜梨に視線を向けながら舌なめずりをした。花桜梨はその視線から目を離さないまま左手で無線機のスイッチを入れ、小さな声で囁いた。

「こちらチェリー。火薬庫で敵と遭遇。排除する」








キルシェはエレベーターから出る。そこは彼女の通う高校の体育館くらいの広さの空間だった。
その空間の左と右の隅に小型の核弾頭がそのまま残されている。恐らく信管は抜いてあるのだろうが核には間違いないだろう。小型であるからか、リスト漏れされていたからなのか処理されずに残ってしまったものなのだろうか。モニタリングされているカウンターの数値から放射能が漏れていることはなさそうだ。

その空間のほぼ中央に場違いなものが置かれている。
3mほどの高さの人の形をした人形だ。
茶色のトレンチコートを着せられたその人形は仁王立ちの状態で後ろを向いている。キルシェは油断なく腰のSOCOMピストルを抜いてその人形に銃口を向けた。
一歩、前に踏み出した瞬間不意にその人形が激しく震えた。

大きな機械音を鳴り響かせながら人形が激しく震える。震えが収まったその人形はゆっくりとした動作でキルシェに向かって振り返った。
一つ目の藍色のレンズが顔の中央に載せられている。
これはロボット?

人形が足を動かして体ごとキルシェに向き直る。トレンチコートの下から黒と銀色の体が垣間見える。間違いなくこれは人間ではない。
人形の左手がゆっくりと動き、キルシェに向けられる。左腕には手がなく、トレンチコートの袖の中から砲身が顔を覗かせた。
瞬間キルシェが身を翻す。人形の左腕から激しい銃声音が連続して鳴り響いた。
さっきまでキルシェがいた場所が銃弾によってひしゃげてボロボロになる。


ガトリングガンか?
いくら防弾のAMスーツとはいえ、恐らくあの砲弾は受けきれないはずだ。キルシェは横に跳びながら銃を構えて発砲。狙い違わず頭部に命中したが黒光りする頭と藍色のレンズはその銃弾を弾き返した。

キルシェは物陰に隠れながら無線機のスイッチを入れた。


「こちらヴァルキリー。ミサイル貯蔵施設で敵と遭遇。敵は鉄の巨人だ」




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【2012/09/27 04:26 】 | Killshe's story | 有り難いご意見(0)
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