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【2017/07/25 09:30 】 |
その成果とは


紅白戦開始の寸前、グラウンドにふたりの女性が来た。
その女性ふたりは松原聖のとなりに並び。始まったばかりの紅白戦を注視した。

「あら、こんにちは」
聖は珍しいものを見るような顔をしてふたりを見た。
「こんにちは、今日は教え子の晴れ舞台なんで来ちゃったわ」
「ま、そういうことよ。少し見させてよん」

まどかたちユース上がり3人を鍛え(壊し)あげたスポーツクラブ専任コーチたちだった。





「強化トレーニングの成果は?」
松原聖は興味津々で聞いてくる。麻生華澄が聖に書類の束を渡す。それは3人の診断書だった。

「さっきるり先生から貰ったの。強化トレーニングは成功してる。ピークは今日に設定してあるから」
華澄はにこりと笑った。
「多分驚くわよー。ってか一番驚くのは本人だと思うけどねん」
「へえ、それは楽しみね」


ビブスチームのDFラインは草薙、難波月乃、江藤と鹿目まどかの4バック。その草薙から縦パスが送られ。トップ下に位置する暁美ほむらがボールを受けた。
すぐにチェックに入る里仲なるみを視野に納めたほむらはトラップし、ワンタッチで左サイドにパスを送る。


「・・・・・・・・え??」
ほむらは何が起こったかわからない表情をし、周りをきょろきょろと見回した。そして我に返ると慌てて前線に走り出す。






「ほら、早速よ」
九段下舞佳コーチがほくそ笑んだ。





その攻撃は不発に終わり、今度は白シャツチームの攻撃に移る。右サイドを任された神条芹華がドリブルからゴール前にアーリークロスを送る。それに飛び込んだのが美樹さやか。足のつま先でボールを捉えたがGKの東サトリンが弾き出す。


「・・・・・これって、どうなってるの?」




白シャツチームの攻撃再開、今度は左サイド、川添珠姫がドリブルでサイド突破を図る。マークに付くのはSBを任された鹿目まどか。
代表常連プレイヤーであるタマにまどかは荷が重過ぎるがそんなこと言ってもしょうがない。まどかはタマの切り返しに必死で食らいつく。


(え、これはなに??)


タマが反転から中央に切り込む動きでまどかを抜く。一瞬で振り切られたかと思ったがまどかは右足で地面を想いっきり蹴ってタマの眼前に滑り込んだ。
これで体勢を崩したタマ、まどかのフォローに入った月乃がクリアする。



(体が、軽い。ていうか、こんなに軽くなったのは初体験…)


クリアボールを受けたほむらが急反転、そして前線に強いパス。



(軽い、そしてトラップとキックの動きが驚くくらいスムーズになってる。いつの間にかテクニックが数段向上してるっ!)


(体のバネが入れ替わったような感じ。凄く楽にボールに飛び込める、追いつける)





「へえ」
松原聖が驚嘆の声を上げる。舞佳、華澄両名は胸を張った。
「どうですか?成果のほどは?」
「いや驚いたわ…これなら即戦力でいける」

両名と川田知子コーチは顔を見合わせ、拳を握ってガッツポーズを作った。







試合終了。
結果的にはビブスチームの2-0で勝ったのだが新人3人は結果よりも気になることがあった。
そしてあの忌々しいとさえ思っていた両コーチを見つけると、物凄い勢いで駆け寄った。


「どう?強化トレーニングの成果は」
「・・・驚きました」
ほむらが率直にそう言った。

「簡単に言うとね、あなたたちの体を作り変えたのよ。アスリート向きに」


今回のトレーニングのからくりはこうだ。
サッカーに必要な持久力、そして瞬間的な瞬発力を両方鍛えていく目的のためにハードトレーニングを開始。
体を限界以上に酷使し続ける。
急激なストップ&ダッシュで体の関節という関節は骨折はしないけれどたくさんの小さな亀裂が入る。
筋肉は肉離れの寸前、炎症も起こり始める。全身の細胞が酸素を求めて心肺に無理を強要していく。
これは体にとって異常事態。だがこれが続く事によって体がそれを乗り越えるために骨や筋肉を守るように進化を開始する。

これが肉体改造だ。

完全にぶっ壊した体は、サッカーをする為に、アスリートとしての体に特化していく。

トレーニングが終わった次の日、アクティブレストによって体の疲労を取り除くと、次の段階。体は今までの強化トレーニングでも壊れない体を作り始める。

肉体改造とは、体に積んでいるエンジンを載せかえるようなものだ。
より高性能なエンジンを積んだ体は今まで追いつけなかったボールにも楽々追いつけるようになる。早く追いつけるようになればそれだけ余裕を持ってボールを扱える。それがテクニックの向上。


「と、言う事よ。理解できた?」
唖然とする3人に華澄コーチがそう言ってウインクを送る。3人は顔を見合わせてから同時にコーチに向かって物凄い勢いで頭を下げた。

「あ、ありがとうございましたっ!!」
「年増コーチとか陰口叩いてすんませんでしたっ!」
「さやかちゃん、それは言わなくても…」


「あら、頭を下げるのはまだ早いわよ」
年増といわれたがコーチは特に気にする風でもなく(内心はどうかわからないけど)
「まだこれは第1段階だから」

「・・・・え???」


「これから4月の開幕まで期間であと2回ほど強化した体をぶっ壊すわ。そうすれば更に強い体を作れるから」
「つまり、この前よりきっついトレーニングメニューが明日から待っているということで」


「え・・・・・・ええええええええっ!」
喜んだのもつかの間、3人は悲壮な声を上げてうなだれた。

「くそーやっぱり年増っての気にしてるじゃんかー」




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【2011/07/18 16:09 】 | Others League | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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