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【2017/05/24 22:31 】 |
第18節 Fiorentina VS AS Roma 4 ~ピッチが描く虹~


守備の為に自陣に戻る茜がピッチを見回す。
守備に参加しようと戻りかけた代歩にその場に留まるように小さく手を広げて制する。すぐに意図を汲み取ってくれた代歩はその場に留まり、フィオレンティーナのDFラインにプレッシャーをかける。
同じようにカミュにお願いしようとしたが既に視界から消えていた。

そのかわり、猛然とローマ陣内に侵入するレイズ・フォーチュンの姿を捉え、茜は彼女に向かって駆け出した。



 


シャルルが右サイド、ローマにとっての左サイドに切れ込む。相対するのはウィルマ・ビショップ。
フェラーリのマークをパオラに引き渡したジーナ・デル・サルトがローマゴールとの対角線上にポジションし、中央に切れ込む動きに制限をかける。

だがシャルルに中央に切れる意志はなかった。
この慌てふためく(様に見える)ルーキーを一瞬で抜き去ってクロスをあげる。それしか考えてはいなかった。

ウィルマは半身の体勢で腰を落とす。実に教科書どおりのディフェンスでシャルルに相対する。
シャルルはシザースで幻惑しつつ、一気に加速。ウィルマの右を突いた。
が、ウィルマの超反応がそれを阻む。シャルルは少し驚いた顔をし、ボールを足元に残しながら後退した。

「・・・速いねえ、うん速いよー」
ウィルマは用心深くシャルルを睨み付けながら、だがとても気の抜けた口調で呟く。
「でもねえ、こっちは毎日オーラやらカミュやらのドリブルにつき合わされてるっちゅーのっ!」

ウィルマ・ビショップは実力を認められてのローマ入りではあるが、その実スタメンを確約されているような立場ではない。
シーズン再開直前の紅白戦ではほぼ控え組でのプレイとなり、世界最高峰のスピードやファンタジーあふれる、そんなドリブルを体験し続けていた。
そしてほとんどボールを奪える事はなかったが、コースを切ったりスピードを緩めさせたりと駆け引き上のスキルは格段に上昇した。更に最高峰を体験する事による自信も育むことになる。

だがシャルルもそんなことを言われて黙ってはいられない。
アズーリに名を連ねる彼女らとは違うが、シャルルもフランスという国を代表する選手でもある。ウィルマの言葉に素直に頷くような弱さは持ち合わせてはいない。
もう一度抜きにかかる。今度はサイドラインぎりぎりを突いた。ウィルマもその動きに呼応するようにコースを切る。フォローをするジーナはやはり中央をケアする。
シャルルは更に加速。瞬間的な加速力なら恐らくオーラ・サネッティを凌駕するであろうそのスピードでウィルマを体半分だけ抜く。そしてそのまま右足を振り上げた。ウィルマも懸命に足を伸ばすがほんの僅かに及ばず。
高々とゴール前にセンタリングがあがった。右のインフロントで擦り蹴られたボールはゴールから逃げるような軌道を描く。それに飛び込むのが自陣ゴール前からここまで一気に駆け寄ったレイズ・フォーチュンだった。
物凄い打点の高さを誇るレイズの頭に吸い込まれるようにボールが進む。額の少し上を完璧に捉えたボールはローマゴール左隅を的確に捉えていた。


だが、それはローマゴールを割る事はなかった。
撃った瞬間、その軌道を遮る影。
オーバーラップするレイズを見つけた茜がここまで戻っていた。そしてヘディングシュートをやはり頭で弾き返した。
ボールはペナルティ・エリアから右に転々と転がる。右サイドラインぎりぎりでボールを収めたのは、




カミュ・ファルコーニ




代歩とフィオレンティーナのDFラインはセンターラインぎりぎりまで押しあがっている。だがその後ろは広大なスペースがある。代歩は裏を取ろうとオニールの体をぐいと押した。


カミュは左足の甲でボールを掬いあげ、腰あたりまであがったボールをまた左足で蹴り上げた。
高々とボールは宙を舞う。それは明らかに代歩の動きを狙っていない。


ただのクリアか・・・
フィオレンティーナのセンターバックであるオニール・ノニーラはふうと息を吐いた。
どう見てもこのボールに意味はない。ファンタジスタもセイフティなプレイもするんだと妙な驚きを感じたりもした。
ボールはオニールや代歩の後方に落ち、大きく跳ねた。


「モニカ!下がれ!!」


大きな声が響く。レイズがローマゴール前からフィオレンティーナGKのモニカ・ファッシに向かって叫んでいた。
GKであるモニカはペナルティ・アーク付近でレイズと跳ね上がるボールを交互に見つつ、軽く笑う。

「何だってんだ、こんな緩いボールに・・・」


ボールはモニカの手前にまたバウンド。それは予想をはるかに超える大きな跳ねかた。一気にモニカの顔が青ざめる。
既にボールはモニカの頭上から後ろに向かう。懸命に下がりながら手を伸ばしてジャンプするが届かずにその場に転倒。ボールはゆったりとした動きでバウンド、そしてフィオレンティーナゴールの中央、ネットにぱさりと収まった。

しんとする場内。まるで天使や悪魔が隊列を組んでそこを通り抜けたように静まり返った。
そしてゴールを告げる笛が響き、爆発的な歓声が思い出したように響きだした。

ゴールから70メートル、いや80メートルはあっただろうか。
記録的なロングシュートをカミュ・ファルコーニが決め、フィオレンティーナを突き放した。
そのシュートの軌跡はまるでピッチに架かる虹のようだった。
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【2011/06/06 21:06 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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