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【2017/07/25 09:34 】 |
第29節 AC Miran vs AS Roma 2


開始10分がたち、左サイドバックのサンド・フィオーリはつくづく思い知らされる。
ACミランは獰猛で狡猾な肉食獣だ。
選手一人ひとりがあれだけ力を持っているのに妙に組織だって動いている。穴が見当たらない。
誰も自分がスター選手であるとかそういう驕った考えを持っていないから恐ろしいほど高レベルなパス回しも見せる。

ま、悲観的になるばっかでもしょうがない。

サンドは少し思い直し、自分のサイドを突破にかかるロッソネロと金髪の少女、サラス・イナベルツにマークに付いた。オーラ・サネッティがすぐさま後ろのスペースを埋めてフォローする。

簡単にやられるもんかい
あんたたちが、肉食獣なら、ウチらは…





サンドとオーラで固めた左サイドの突破を諦めたサラスは中央後ろまで大きくボールを戻す。受けるのが現アズーリのライラ・ニーラー。守備力、そして視野の広さからのパスの散らしが武器のセントラルMF。
ライラは今度は右に出す。右サイドで受けたのはロシア人SBジャンナ・ブレシネス。白い肌と白い髪が特徴の23歳。長らく控えのSBだったが今季に入り、やっとレギュラーポジションを掴んだ。

(ん、ここらでタイミングを変えてみようか)

中盤かなり低い位置ではあるがトップのマレクにボナンザが高い位置に配しているのを見たジャンナはゴール前に直接ボールを入れてみた。
これはキッカに弾き返されるがセカンドボールをコーチャが確保した。

ミランの中盤はともすれば間延びしがちになるところであるが、それが弱点にならないのはひとえに個人能力の高さと言える。各々が支配できるエリアが広いから攻撃の際はワイドに展開できる。それこそがミランの強みともいえる。


コーチャの目の前に茜が立ちふさがる。
「きたね、モリシタ」
果敢に挑むコーチャ。対する茜は止める、奪うというよりもディレイに重きを置く動き。1対1に時間をかけることにより他の選手のポジションの修正、マークの引渡しをしっかりさせる。それによりコーチャの選択肢を減らす。
そして引渡しが済めば1対1にこだわる必要も無い。右サイドバックのローザと囲みに入り、コーチャは仕方なく後方に戻した。

(…意外にしっかり組織だってるな。去年までのローマと同じと考えられないかも)

去年までのローマはカミュ、代歩の強力だが当てにならないツートップの攻撃力を前面に押し出しての力押しサッカー。取られてもより多く取り返すという単純だが手のかかる戦法を思考していたように思えていた。
それが今季に入って、特に後半戦になってから守備が非常に安定してきている。

(モリシタ効果?どちらにしても1点勝負になるかもな)

攻守に効く茜、特に攻撃に関して貢献度が高いことが結果的に守備に強さを見せるジーナ・デル・サルトの良さを引き出しているというのが種といえばそうなる。
個人=組織力という括りでは捉えられないというのは当たり前なのだが、個人≠組織力と単純に決められないのがサッカーというものだと思われる。
個人の能力をベースにして組織力は育まれるべきであって、「個人能力が劣るから組織力でカバーする」という方策は実はあまりに乱暴で乱雑な理論といわざるを得ない。
個人としてのカバーリング能力をしっかり見据えた上でそれぞれがそれを補い合うというのが組織だとすれば、もしその部分で劣るのであればその分全員がより多く走って多く補い合うという事になる。そして、より多く走るというのはそれ自体がひとつの能力という事を忘れてはいけない。
近代サッカーのメソッドが個人の力の中でもフィジカルに特化していくというのは自然な流れであり、それに抗うのであれば、全く新しい斬新な方法論が必要となり、それは伝説を作るのと同じなのだろう。

ミランもローマも組織の作り方自体はこの近代サッカーのメソッドを継承している。ただより個人能力を前面に出すミランに対しローマはもう少し個人個人の得手不得手をしっかりと認識した上でそれを互いに補いあって熟成を重ねている。
どちらが強いのか、そしてどちらが淘汰されるべきなのか。この試合の位置づけを考えるのはそういう意味から見るのも楽しいのかもしれない。



戻されたボールをカルア・クオーレが受けた。が、その瞬間ローマのFWリルハ・イルハが激しいチェック。前半20分を経過してあまりに前線にボールが渡らない状況をこのツートップが黙っているわけでもない。より沢山、多く動けるリルハが積極的になってきた。
カルアは少し面倒な顔をして左のコルネリアに横パスを出す。だがそれを読んだローマ右サイドのアギー・バックがカットした。
アギーはすぐさまリルハにボールを繋げ、左のサネッティの上がりを引き出すために後ろに下がった。逆サイドのオーラ・サネッティはその俊足を生かして前線に飛び出した。
中央に絞りながら走るオーラにリルハが繋げる。オーラは最前線の代歩に楔のパスを出した。

代歩はこのローマに来てからストライカーとしての役割は勿論の事、それに加えてポストプレイを要求されることが格段に増えていた。
イタリアで格段に上昇したフィジカルの強さは前線での安定感を生む事になる。そして両サイドが広くワイドに展開されるローマのフォーメーションを見ればわかるとおり、この前線でのタメが攻撃の手順になっている。

代歩はDFのジゼラ、SBのジャンナのマークを背中に受けながらボールをキープそしてサイドに流した。
それに駆け寄るのが茜。代歩が茜がボールをトラップした瞬間反転してエリア内に動く。
だが茜とて自由に動けているわけでもない。ライラ・ニーラーがしっかりとマークについている。茜はそのマークをかいくぐりながら短いクロスをエリア内に放り込む。飛び込むのはファーサイドのリルハ・イルハ。だがドイツ代表DFレージィ・ボスクメルクが競り合いクリアした。エリア外に流れたボールをサネッティが受け、そのままミドルシュートを放ったがクロスバーを大きく超えた。


試合は一進一退の様相を呈してきている。
茜は大きく息を吸い、吐いた。そして吹き出る汗をユニフォームの袖で拭った。その様子を見た代歩は首を傾げた。

(息切れ?まだ前半途中だぜ…)


ローマに僅かな綻びが見え始めていた
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【2011/07/31 21:31 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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