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【2017/05/24 22:34 】 |
第29節 AC Miran vs AS Roma 6


後半20分を過ぎる。前線のシア・ジュニーニョは明らかに苛立っている。

「諦めが悪いんだよっ!!」

体を密着させていたキッカを右腕1本で押しのけると反転、そのタイミングばっちりにサラスからのスルーパスが伸びる。

(3点差なら、うざったいこいつらも諦めるだろっ!!)


裏に抜ける。線審の旗は上がっていない。
トラップ、GKと1対1。完全にもらった





が、その瞬間シアの視界が反転した。
スライディング??
ジーナ・デル・サルトがエリア内にもかかわらずスライディングを敢行し、ボールを奪い取っていた。そして主審は笛を吹かなかった。
そしてクリア。ジーナは腹の底から搾り出すような叫び声を上げた。

「まだだっ!まだだっ!諦めないぞっ!」
「おおおうっ!」
ジーナの叫びに周りの選手も応える。シアは顔を歪めて地面に唾を吐く。

クリアボールはアギー・バックが確保。そこから茜、そして左サイドのオーラ・サネッティに繋ぐ。サネッティが左サイドを爆走しクロス。中央の代歩を狙うがミランCBのレージィに阻まれた。

そして、これがオーラの限界だったようだ。右足を押さえて倒れた。
近くの茜が駆け寄って足を持って伸ばしている。そしてベンチに向かって交代を要請した。

交代選手がピッチサイドに出た。イルマ・ベルトットとウィルマ・ビショップのふたり。オーラとサンド・フィオーリとの交代だ。


オーラはイルマと両手でハイタッチをして交代。その手を握り締めた。

「ちっきしょ、アカネより先にばてちまった。後半入ってもあいつの方が動いてたのになー」

呪詛のようにぶつぶつと、だが誰かを攻めている訳でも呪っているわけでもない。ふがいない自分に対して怒っているというのが一番しっくりくる表現か。
イルマは手を離してからオーラを抱きしめた。

「大丈夫よ、私がアカネをしっかりサポートする。だからゆっくり休んで」
「お願い、イルマ…」

最後はしゃくりあげるような声になり、聞き取れなかったがイルマは全て理解した。
やば、すげえやる気出てきた(笑)

イルマはピッチに飛び込むと左サイド、オーラのいたポジションを確保した。




右サイドはアギー・バックとローザ・ベルガメリ。左サイドは交代したイルマ・ベルトットとウィルマ・ビショップで固めた。あとは中央。
ミランは攻撃の手を緩めずに二つの矢を穿つ。コーチャとサラスが同時に中央に絞り込んできた。

「行きますっ!!」
茜がそう叫んでふたりを止めるべく走る。ジーナはその後ろでフォローの体勢を取る。イルマが左から中央にポジションを絞る。そのサイドをミランSBジャンナが走り抜けるがビショップに任せて無視する事にした。

ボールは現在コーチャが持っているがサラスがそのコースに割り込む体勢。スイッチの可能性もある。交差する寸前で奪えれば理想だが黒豹コーチャが易々と許すはずも無い。

足ががくがくと揺れる。膝から下の感覚が殆ど無い。
多分、恐らくこのワンプレーで自分の燃料は完全に空になるだろう。茜はそう自覚した。


「ひとりじゃ、無理だろ」
背後から声がした。その声の主はアカネの隣に寄り添うように並んだ。代歩がここまで戻ってきていた。
茜はちらりと代歩に視線を投げ、そして目の前のコーチャとサラスに視線を移してから頷いた。


コーチャとサラスが交差する。その瞬間を狙うように茜と代歩が同時に動いた。
ふたりは打ち合わせてもいないのに完全に動きを分散させた。
まず代歩が一瞬早くコーチャの眼前に飛び出る。が、ボールは既に足元から消えている。交差した瞬間サラスがそのボールを持っていた。
だが茜がサラスを狙っていた。ボールを狙い、足元を刈り取るようなスライディング。ボールと足を同時に刈り抜き、サラスの体が宙を舞った。だが主審は笛を吹かない。ボールに行った事を認めたのだ。

コーチャが急反転してこぼれたボールを狙うが茜の左足がボールを叩いた。右サイドに転がったボールをアギー・バックが確保。ワンタッチで前線に蹴りだした。


「ぷあっ!」
大きく息を吐き出しながら茜は飛び起きて前線に走る。後方からコーチャ、前方からカルーアが挟み込みをかけるがそれを振り切って走る。



(ほらきた、やっぱアギーちゃんとアタシは相思相愛っ♪)
アギーの蹴りだした先にはリルハが待ち構えてる。アギーは本気で不機嫌な顔をしながらリルハの後方を指差している。
リルハの背後にミランCBのジゼラ・バレージが張り付こうとしていた。

「わーってるってっ」
リルハは叫びながらジャンプ。頭でボールを後方に弾き飛ばした。その先にイルマ・ベルトット、更にダイレクトで前方中央を走り抜ける茜に速いパスを出した。

茜はパスを受ける瞬間、前方を見る。既に代歩は最前線に走りこみ、ミランCBのレージィがマークについている。が、DFラインは既にばらばら、スペースもある。代歩もそのスペースを意識している。

左足でトラップ、そして右足でそのスペースを狙うパス…
代歩が走りながら反転、ウエーブの動きでスペースを狙う。

が、蹴りこむ瞬間今度は茜の体が宙を舞った。左サイドバックのコルネリアがスライディングタックルを入れていた。
茜は右肩から地面に叩きつけられ、激しい笛の音が響いた。
ファウル
主審がコルネリアにイエローカードを提示した。
ゴールから23メートル。絶好の位置での直接フリーキックをローマが得た。


「茜っ!!」
代歩が叫びながら茜の元に走る。茜はうずくまったままだった。
イルマやアギー、リルハも倒れたままの茜の元に駆け寄る。茜は少しもぞもぞと体を揺らしてから上半身を起き上がらせた。

「ゴメン代歩ちゃん。パス出せなかった…」
「いいんだよ、まだ次があるから」
代歩はそう答えながら茜の肩を持って立ち上がらせる。だが茜は膝からかくりと崩れた。


「…あは、もうからっぽになったみたい」
「あ、あ・・・かね…」


代歩はローマベンチに視線を移す。Bucchiiは組んだ腕を解き、自分の隣を指差した。

そこにはローマのユニフォーム、そして銀髪。背番号10
カミュ・ファルコーニが立っていた。


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【2011/08/08 20:46 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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