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【2017/07/25 09:32 】 |
第18節 Fiorentina VS AS Roma 5 ~変わるファンタジスタ~


「よし、リルハ。行くぞ」
Bucchiiの指示を受けローマのFWリルハ・イルハがピッチサイドに姿を見せた。
交代選手の背番号は、


「10」


カミュ・ファルコーニは前半35分でピッチを退いた。



 


「くそっ!」
フィオレンティーナの監督であるカーラ・ブラッキアリは怒声を上げて手に持ったプラスチック製のファイリングボードを叩き折った。

完璧にしてやられた。
あの忌々しいファンタジスタはフィオレンティーナが目指す「ポゼッション・サッカー」の弱点を晒しあげたのだ。
ポゼッション・サッカー
ボールの支配率をあげるサッカーをする為にはパスをまわす人間の間隔を狭くして、パス回しをコンパクトにする。
攻撃時、フィオレンティーナはポゼッションを確保する為に、更にレイズ・フォーチュンの攻撃参加を速くするためにDFラインを強く押し上げる。
DFラインはセンターライン付近まで押しあがるが、ではその後ろのエリアは誰がカバーするのか?
それはゴールキーパーである。だから近代サッカーではGKの事をセカンド・リベロなどと呼ぶこともある。
カミュ・ファルコーニが放ったその「シュート」は、そのGKとDFラインの隙間を突いたものだった。

試合開始後しばらくカミュ・ファルコーニがピッチ内で試合の動きに参加せずにふらふらとしていたのは全て情報を得るため。
からっと乾いた芝の状態、風向き、ボールの跳ね具合。
それらを知った上でGKの頭上を越え、更にキチンとゴール枠に収まるだけのキックの強さやそれに必要なボールの純回転速度。
それら全てを理屈や計算ではなく、感覚で感性で知っていた。

つまり、フィオレンティーナのサッカーはカミュ・ファルコーニひとりのファンタジーに屈したという事だ。
これを屈辱といわずして何と言うだろう。







ピッチサイドでリルハと手を合わせたカミュ・ファルコーニは憮然とした表情を崩さないままベンチに腰掛けるBucchiiの眼前に立った。
「なんで交代なのさ!もっとやりたかった!」
その言葉にBucchiiはほうと感嘆の声を上げ、隣の橘恵美の目が丸くなった。
カミュを知るものならこの早い交代に異議を唱える彼女の姿がさぞや奇異に写ったことであろう。
彼女は基本的にさぼり症であり、自分の役割が終わったと判断すればそのプレーにファンタジーを見出す事もない。
我侭と言えばすむ事ではあるが、そのおかげでローマは勝てた試合をいくつも落としている。
その彼女が交代した事に異議を唱え、もっとやりたいとまで進言する。これがBucchiiなど上層部にとっては喜ぶべき変化だと言えよう。
その変化をさせたのは‐

「楽しんだようだな」
「勿論!なーんか久しぶりにすごく面白かったよー」
Bucchiiが相好を崩すとカミュも機嫌の悪い顔を一瞬で破顔させた。
「森下とはどうだった?」
「うんっ!すごくやりやすかった!えーとね、これはアタシが贔屓で言ってるんじゃなくて、マジでそう思った。これがしたいって時にちゃんといいパスをくれる。いままでそんなことしてくれたのは・・・」

カミュが一瞬言葉を止めてBucchiiの顔を覗き込む。Bucchiiは柔和な表情を崩さなかった。

「・・・ナスターシャぐらい、かな」
ナスターシャ・シルベストリ。インテルミラノのキャプテンであり、世界一の司令塔と呼び声の高いプレイヤー。
カミュはイタリア代表で彼女と何度もプレイしていた。

「・・・そうか」
「だからっ!だからミステル!次も、その次もずーっと次もアカネと一緒にやりたい!できるよね!だってアカネ今日アシストあげたしねっ!」

あの2点目を決めた特大ループシュート。確かに茜のクリアボールをカミュが拾って撃ったものであり、厳密に言えば茜にアシストがつくだろう。

もしかして・・・

カミュはそれを考えたからあんな位置からシュートを敢行したのか?
「ハハハハ!そいつはおもしれえ」
Bucchiiがいきなり大声で笑い出し、カミュと恵美はぽかんとした。Bucchiiは笑いながらカミュの頭に手をやり、髪の毛をくしゃくしゃと撫であげる。

「大丈夫だ心配するな。森下は使うよ」
「ほんとか!ほんとだな!じゃあアタシ頑張るぜ!」

カミュは飛び上がって喜んだ。










試合はその後膠着する。
後半に入り、2点差を追うフィオレンティーナは前がかりになるが清水やリルハなどFWも守備に参加してチャンスを作らせない。
前線に張るレイズ・フォーチュンにはジーナの指示で茜がマンマークについた。
後半早々にローマは攻撃的SMFのオーラ・サネッティを下げて守備的駒のイルマ・ベルトットを投入してそのプランはより顕著なものとなった。
そして後半39分にはオフサイドトラップのかけそこないからリルハが抜け出してGKと1対1。これを決めて試合を決定付けた。


そしてタイムアップ。
アルテミオ・フランキはアウェーチームに対する盛大なブーイングを鳴らし、その中でもローマのイレブンは笑顔でハイタッチを繰り返した


第18節 フィオレンティーナ 0-3 ASローマ


これでローマは順位をひとつ上げて5位。フィオレンティーナは4位に後退した。
現在の首位はインテルミラノ、2位にACミラン3位にラツィオと続いている。

スクデットが現実味を帯びてきた



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【2011/06/09 20:13 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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