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【2017/10/21 23:04 】 |
第29節 AC Miran vs AS Roma 10


2009-2010 女子セリエA第29節
ACミラン 2-2 ASローマ

得点者
28分 マレク・ファンバステン
50分 シア・ジュニーニョ
74分 カミュ・ファルコーニ
88分 清水代歩

ウーマン・オブ・ザ・マッチ(WOM)
清水代歩




試合終了を告げる3度の笛が鳴る。ホームでの勝利を逃したミランの選手は明らかに意気消沈し、その場に座り込んでいる。
だがローマも疲労が限界の選手が多く、このドローを喜んでいる風はなかった。
特に不機嫌な様子なのはカミュ・ファルコーニであり、地団駄を踏むように左足のつま先を何度も芝にめり込ませている。


「ふむ、僥倖だな」
Bucchiiは電光掲示板の結果を見ながらそう呟く。何にせよ、これでまだ自力スクデットの目が残るというものだ。このドローで順位は3位。2位のミランとは勝ち点差1、首位のインテルとは勝ち点差4まで迫っている。ちなみに4位のラツィオとの勝ち点差は1であり、こちらも目が離せない。


「いやあ、アンタひとりにやられたって感じだな」
ピッチ中央で芝を痛めつけているカミュに話しかけたのはミラン背番号8のサラス・イナベルツだった。

「あ、サーラ…」
ちなみにこのサラスとカミュはミランのプリマ時代の同期なのだが、それは今回あまり関係が無い。
「あーあ、これで次のミラノダービーがきつくなったぜ」
「ざまあだな、その間にローマが追いついておこう」

そう言って二人は笑いあった

「でもさ、ちょっと感じが変わった気がするよ。何か楽しそうだ」
サラスは微笑みながらカミュの肩を抱く。カミュはサラスに顔を向け、キスが出来るほど近くに顔を突き合わせてから吹き出した。

「こらこら、人の顔見て笑うんじゃないよ」
「ワリーワリ。でもさ今日は楽しかったぜ」

「だな、私も楽しかったよ」
「折角だし勝ちたかったけどな」
「贅沢言い過ぎだ。それに簡単に勝たせるかっちゅうの」

サラスは微笑むと抱いた肩を離し、替わりにカミュの右腕を掴んで大きく頭上に上げさせた。

「な、何っ!??」
「いいから、お客さんに挨拶しろっての」

気が付けばブーイングが鳴り止んでいた。
そして、一息ついてからぱらぱらと拍手の音が。

「お前はミランに取っちゃ裏切り者かもしれないけどさ」
サラスは微笑んだまま言葉を紡ぐ。そのうちに拍手の音がどんどん大きくなっていく。


「でも、いいプレーにはリスペクトするんだぜ。それがカルチョの国の伝統だ」


万雷の拍手の中、カミュの瞳からすっと涙がこぼれ―
恥ずかしがった少女は空いた左手で拭うと上を向き、照れ隠しのアカンベーをした。
サラスはそれを見て今日1番の笑顔を見せた。







ベンチに戻る黒髪の少女清水代歩。その手には小さなトロフィーが握られていた。
WOMのトロフィーだった。

「お疲れ様、代歩ちゃん」
「ああ」
茜と代歩、短い言葉のやり取りだったがそれで満足したのか、茜は右手を差し出した。代歩がその手を握る。
ふたりは手を繋いだままロッカールームへの道を歩いていった。



「わかったことがあります」
橘恵美は隣のBucchiiの顔を見ないまま、そう呟く。Bucchiiは無言。

「ミステルの目指す『キングダム・サッカー』。王はカミュなんですね?」
Bucchiiは何も答えない。恵美は更に言葉を続ける。
「清水さんは、『剣』。王の代わりに敵を打ち倒す刃」

「森下さんは、『副官』だったのですね」


いつだったろう、随分昔の話。
まだ茜もBucchiiも、恵美も日本のクラブチームにいた頃の話。
サッカー観の違いから茜とBucchiiは対立。茜がチームを飛び出すという出来事があった。
それ自体は円満な解決をしたのだが、その中でBucchiiは茜にある願いをした。


「王を助ける『副官』となれ」


彼女はそれを覚えているのだろうか。
王が不在のときも、そして王が戻ってきたときも、彼女はいつでも「副官」だった。
茜は常に「副官」であり続けていた。ラツィオのときもそうだった。


「あの我侭娘には、誰かそばにいてやらないとな」


少し経ってから、Bucchiiがそう呟いた。
恵美も、同意の意味を込めて深く頷いた




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【2011/08/14 21:38 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(2) | トラックバック(0)
<<思慕?恋慕?百合?それとも(笑) | ホーム | 第29節 AC Miran vs AS Roma 9>>
有り難いご意見
終わったようなので、感想を書きに来ました
いつも4~5くらいで終わっているイメージがあるのでやや長丁場、ですかね?お疲れさまでした。ちょっと書き切れるのかどうか分かりませんがいくつか。

・組織と個人の話
2、あたりでしたか。「個で敵わないから組織で~」なんてのは(特に日本サッカーを語る際に)よく言われる言説ではあるんですが、11人対11人で行う以上…、相手の一人に2,3人を掛けなきゃいけない時点で破綻が生じるのは間違いない。結局、組織を突き詰めようとすると最後は「より突き詰めた個で組織を作る」という結論に至るという…個人的には夢がないな、とは思いますがこれが現実。ビッグクラブであればあるほど、優れた個を集めている事実が何よりの証明…ていうかこの辺はコメント欄じゃ語り切れん(笑)

・展開に付いて
後半開始早々にローマ失点は正直予想外でした。ここでフラグ折っちゃうか、っていう…でも、サガン鳥栖では本当に良く見る光景だったり(笑)引っくり返すとこまでいくかな、と思ってたんでそこら辺も予想外ではありました。
6あたりからの展開がテンポよくて、あー得点絡むシーンはこんくらいスピーディな方がいいよなあ、と今更ながら痛感しました(笑)や、自分とこが進まないしねえ…
あと、昔書かれていた茜=副官はともかく、てきとーに書いていた(笑)代歩=剣、なんてキーワードがフォローされてるのが嬉しいやら恥ずかしいやら(笑)

・ローマの人たち
アギーとリルハの関係性の描写も良かったんですが、ゆるいフィオーリも好きです。ラテン気質のサイドバックってこうかもなあ、と思わせるあたり。


・そーいや始めは
「鋼鉄の巨人」やるのかな?とか少し思いました(笑)


次は一旦国内に戻ってSCMの人たち、ってな感じかな?と予想しておきます。

それでは。
【2011/08/14 23:34】| URL | 捨井武 #2aa3900292 [ 編集 ]


いつもありがとうございます
毎回コメントありがとうございます。
書き始めてビックリ、何と10話も続くとはって感じですねえ。
基本的に勝敗云々とか全体的なことだけ決めて書き出すんですが詳細は書きながら決めるんですよ。なのでいつ終わるのか自分でもわからないとか(笑)

・組織と個人の話
簡単に言えば日本代表で俊介が消えて本田が台頭してきたという風に、あとインテルで長友が活躍できるようになったというのも無関係な話じゃないよねーって思うんですよ。
どれだけ汗をかけるか、どれだけ倒れずにボールを保持できるか。みたいにテクニックよりもフィジカルが重要視されているのが近代サッカーであると書いておいてカミュ・ファルコーニを活躍というギャップも含めてサッカー面白いよねって言ってる意味がわからんくなってきた(笑)

・展開
後半早々の失点については、2-0から追いつくという大筋は決まっていたのであとはどうするかというだけの話で(笑)あーそういえばシアがミランいるじゃんかよーって思い出してみたり。

・ローマの人たち
既存のキャラですがオリジナルなのである程度キャラ立てしておかないと書いてる自分ものめりこめないなーって思って事あるごとに横顔めいたものを書かしてもらってます。個人的にウィルマ・ビショップがどんどん崩れているのが問題だなと(笑)

「鋼鉄の巨人」!!
あーそういえばそんなのもあったなあ。プロットどこかに保存してねえかなー(笑)
見つけたらちょっと手直しして書きますか!

予定はSCMですね。相沢vs監督というのも書いていかないといかんしねー

あ、ちなみに次のセリエはローマダービー書きます(笑)
ではまたコメント書いてくださいねー
【2011/08/15 01:28】| | Bucchii #4f08fb5f61 [ 編集 ]


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