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【2017/05/23 02:27 】 |
辛辣なる再会



「よくもぬけぬけとこの街に戻ってきたわね、杏子…」
さやかは怒りに震える声を振り絞り、ほんの少し残った理性をかみ締めて冷静さを保とうとしていた。
「いや」
佐倉杏子はその長いポニーテールの根元の部分、ちょうどゴムで止めてある部分を右手でポリポリと掻く。

「別にお前たちに会いに来たわけじゃないさ。偶然だよ偶然」
杏子は二コリと微笑むと左手のポテトをまた頬張った。




拳を握り締め、さやかの右手がわなわなと震える。

「それとも何かい?この街にアタシが戻ってきたら挨拶でもしなきゃならない決まりでもあるのかい?」

杏子は震えるさやかを面白いおもちゃと認定したようだ。次々とからかいの言葉を並べていく。
「へえ、あんた街の盟主さんにでもなったんだ?いやあ挨拶しなきゃいけないなんて気がつかなかったよ。ち~っす、これでいいかい盟主のさやかさんよ、」




ぶちん


何かが切れた音、まどかには確かに聞こえたように思えた。
それが聞こえた瞬間、さやかの体が跳ねた。右拳を振りかぶって杏子に突進していた。

「こんのぅ!裏切り者があああ!!」



「さやかちゃんっ!」
まどかが叫ぶ。その右ストレートは確かに杏子の顔面を狙っていた。だが顔に届く寸前に杏子の右手掌で受け止められていた。
力の限りでさやかは押すがまるでコンクリートの壁を押しているかのごとくビクともしない。杏子はニヤニヤ笑いながら空いた左手でまたポテトを頬張った。


「ぐ、ぐううう…」
「…ちょっとさ、やめてくんないかな。超ウザいんだけど」
「くそ、ぐうううううう…」
「あのさ、これ以上やるならアタシも本気になっちゃうよ、いいの?」

そう言うと杏子は物凄い力でさやかを押し返した。その圧倒的な力でさやかの体は後方に弾き飛ばされる。
ごろりと地面で1回転して起き上がると、既に杏子はさやかに向かって飛び掛っていた。


「終わりだよっ!!」
さやかは身構える。杏子の拳が振りぬかれる。



が、杏子とさやかの間に割り込む人影。
杏子のパンチを左掌で受け止めながらさやかの踏み込み足の膝裏を足で叩いて体勢を崩す。勢いをつけていた杏子の体を人影の背中が弾き返した。

「ほむらちゃんっ!!」
「やめなさいふたりとも、ここは往来よ」

「邪魔するな、ほむら―」
立ち上がろうとするさやかの腰をまどかが抱きしめて引きとめる。
「だめ、だめだよさやかちゃん!」


「コノヤロウ!邪魔すんのか暁美―」
左の肘でほむらの顔面を殴りつけようとした杏子だったがほむらはそれを体の入れ替えでかわし、右腕を背中に捻り上げた。

「いて、いててて、てめえっ!」
「佐倉杏子。私は冷静で状況がよくわかる人の味方。怒りに任せて無関係な人のいる往来で喧嘩をするような愚か者の敵よ」
ほむらは杏子を睨みつける。
「あなたはどっち?佐倉杏子」


「くっ…」
すぐにほむらは捻りあげていた腕を解き、杏子と対峙した。少しの間にらみ合うふたりだったが、杏子が先に肩をすくめてそれをやめた。

「…わーったよ、悪かった。確かにフットボーラーが街中で喧嘩なんてしちゃいけねえよな」
「わかってくれてうれしいわ」
ほむらは殆ど感情のこもらない台詞でそう答える。

「まどか、もういいよ。もう落ち着いた」
さやかに言われたまどかも抱きつくのをやめる。さやかは1回深呼吸してから立ち上がり、杏子を睨みつける。

「…あんた、今どこにいるのさ?」
「駿河に世話になってる。これでもトップだ」

駿河、ダイナマイトメイツ駿河。ということは

「巴マミのところ―?」
「ああ、あいつとも付き合い長いしね」




杏子は先ほどとは違い少し寂しげな笑顔を一瞬見せるとくるりと踵を返した。
「じゃ、決着はピッチで、だな?」
「ええそうね」
「……………」

杏子は背中を見せたまま右手を上げ、ひらひらと動かした。さやかは憎々しげな視線をずっと送り続けていた。












ちょっとした騒ぎになっていたが幸いにも警察沙汰とならず、カフェの前はいつの間にか元の喧騒が戻っていた。
「ねえ、さやかちゃん…」
「ごめんまどか、アタシ先に帰る…」
「え、ちょっとさやかちゃ…」

さやかは下を向いたままそう告げると走り出した。追いかけようとしたまどかの肩をほむらが掴み、首を振った。
あっという間にさやかの姿は喧騒の中にまぎれ、見えなくなってしまった。

残されたまどかとほむら。
「まどか、チョコケーキはどうするの?私はコーヒーだけでいいんだけど?」
「ほむらちゃん、空気読めてるのか読めてないのかわからないよ…」









杏子は沢山の人が行きかう往来で歩きながらポテトを頬張る。が、今かじりついたので無くなった。
ポケットを探るがもう何も残ってはいなかった。不機嫌そうにため息を吐く。

「佐倉さん、ああいた」
「おねえちゃん、杏子おねえちゃん」

その声と共に小さな少女が駆け寄り、杏子の胸に飛び込んだ。
「モモ、どうしたんだ?」
「もう、杏子おねーちゃんが消えちゃったからマミおねーちゃんと探しちゃったじゃん」
モモと呼ばれた少女は頬を膨らます。杏子は笑顔でその頭を撫でた。
後ろから少し大人びた、スタイルの良い少女の姿が見える。
「もう、単独行動は禁止だって言ったじゃないの」
「ああ、悪かった…」

やけに素直に非を認める杏子を見て巴マミは不審そうに首を傾げた。

「そういえば折角来たから鹿目さんとか美樹さんに会えたらって思ったんだけど、そう簡単に会えないわよねえ」
マミは笑顔でそう呟く。

「ああ、そう簡単には会えないよな」
杏子はそう、答えた。




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【2011/08/30 21:31 】 | Others League | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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