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【2017/10/23 13:29 】 |
第31節 AS Roma 対 Lazio 2 挨拶代わりの


選手が入場する。
そして、赤いユニフォームの19番、森下茜がその姿をあらわした瞬間、ラツィアーレから盛大なブーイング。そしてロマニスタからは歓迎の歓声が同時に巻き起こり、それが絡まって異様な唸り声に包まれる。
茜は客席を見ずにただ正面を見据えている。

その視線の先には水色のユニフォーム。
そう、それはかつて味方だった選手たち。
そして、今は倒すべき大きな敵だった。






「凄いですね、まさかこれほどなんて…」
ローマコーチ橘恵美は客席から巻き起こる歓声、ブーイングの渦に身を震わせる。
隣のBucchiiは周囲を見渡してからため息を吐く。
「そりゃそうさ、ここはイタリアだぜ。日本ではサッカーはエンターテインメントであり娯楽であり、極端に言えば暇つぶしだ。だがイタリアのカルチョは違う」
恵美はBucchiiの横顔を見上げた。1ヶ月前に比べて明らかに頬の肉が削ぎ落ちている。スクデットを前にした監督の重責からくるストレスだろうか。その時の恵美はそんな風に考えていた。

「この国の奴らにとってカルチョは娯楽でも暇つぶしでもない。生活そのものだ。考えてみろ、セリエAの歴史は軽く100年を超えているんだぜ」

歴史
そうなんだ。イタリアはカルチョが日常であり生活。職場に出れば仲間との会話はカルチョの結果、そして予想。スタジアムとボール、選手は日常の中に溶け込んで子供たちは気がつけばボールを蹴っている。そんな日常。
育んでいたものはカルチョの歴史そのもの。

「そこに飛び込んだんだ。これくらい覚悟していたはずだぜ、アイツは」
見渡した視線の最後は、ピッチ中のその少女に注がれていた。









キックオフ
歓声が渦巻くダービー・マッチの笛が吹かれた。
コイントスでボールを選んだローマキックオフ。代歩がちょこんとボールをつついてカミュが定石どおり後ろに流す。その瞬間代歩、カミュが前線に向かってダッシュ。左サイドのオーラ・サネッティも一気にサイドラインを駆け上がる。ジーナが受けたボールを前線左のオーラに向かって放つ。だがそれはラツィオ中盤ヴィルヘルミナ・カルメルによって頭で弾き返された。

その落下地点はシルビア・セルビアン。更に頭で前に出し、転々と転がったボールはラツィオFWリリカ・フェルフネロフの足元に。右足でトラップしながら反転、だがその瞬間ローマCBのキッカ・コスタクルタのスライディングで派手に転倒した。
ボールを確保したキッカは主審の笛が鳴らなかったことを確認してから素早く立ち上がり右にボールを叩く。
オーラが飛び出したため上がりを控えていたアギー・バックがそれを受ける。トラップしながらルックアップし、ジェシカ・クロウドのマークが到達する前に前線に長いボールを送った。

速い展開、ボールの先には走りこむカミュ・ファルコーニ。エリア手前ペナルティ・アークど真ん中で反転しながらジャンプ。ラツィオゴールを背にしながら胸トラップでボールを受けた。バックチャージを恐れたCBレミ・クロスティはタックルを控えた。


(じゃ、挨拶しちゃいなよ、アカネっ!!)
ボールと共に着地。その瞬間を狙ってカミュの背後からレミ。そして正面からエルザ・ラ・コンティが迫る。だがカミュは着地の瞬間左足を振ってボールを蹴る。エルザの脇を抜けたバックパスはそこに走りこむ茜の足元に。

左足でトラップ。そして大きく右足を振り上げる。
カミュが横に弾けてシュートコースを作った。その隙間を抜く白い軌跡。
茜はミドルシュートを放った。



風を切る音と共にボールはゴール左隅を正確に狙う。だがラツィオGKエリーゼ・フルガルは超反応、ボールに向かって横っ飛び。右手を大きく伸ばしてシュートを叩き落すその瞬間。


ボールが不意にぶれた。


ぐぐんとボールが風の抵抗で揺れて軌道を変える。


(なっ!まさか無回転シュー………っ!!)


エリーゼの右腕をかいくぐったボールは、ゴール左を駆け抜けてスタジアムの広告看板に当たって大きく跳ね返った。

しんと静まり返るスタジアム。そしてその一瞬後、思い出したかのような歓声をブーイングでびりびりとスタジアム全体が揺れた


(まさか、無回転シュートなんて……いつのまに打てるようになったんだ…)
フルガルは茜をにらみつけた。茜はフルガルの視線に気がつくとふっと笑顔を見せた。



開始2分、ファーストシュートはローマ。
ダービー・マッチ、開幕



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【2011/09/22 19:02 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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