忍者ブログ
  • 2017.06
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 2017.08
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【2017/07/25 09:28 】 |
エースの重圧、なのか?


「ああ、私もいい歳だしな」
クラブハウスのロビーでジーナ・デル・サルトはそう呟いた。






練習後幾分かの時間がたち、選手たちもそろそろ帰りの路につくころ、残っていたジーナとパオラ・ファウネルが顔を突き合わせている。

「実は、プロポーズされててね」
「へえ、あの彼氏か。実業家の」

パオラの驚いた声にジーナは少し照れくさそうに頷いた。
パオラとジーナはプリマヴェーラ時代からの同期であるがジーナがいま27歳、パオラは26歳だ。歳が近いこともあってふたりはよくプライベートでも会ったり相談しあったりもしている。

女子サッカー選手の選手生命は男子に比べ驚くほど短い。
ピークが24~6歳あたりだとすれば、もう30代になると殆どの選手がピッチには残っていない。
結婚、出産などが引退と直結しているというのがその最たる理由だが、女性の体がピークから減退期までの幅が短い事もあるだろう。
能力が落ちるのが早いのだ。
30代でいまだトップに君臨する選手というのは実は殆ど見られない。
31歳、アメリカのケイト・ブッシュも地元では既に過去の人と言われたりもしている。彼女はいまだ現役トッププレイヤーではあるのだが。

女子サッカー選手のほとんどが、26歳を過ぎたあたりから引退を考え始めるのが普通であり、ジーナがそう考えてもおかしくはなかった。


「まあ、ほら彼はもう36歳だしさ、いつまでも選手やってちゃ家事も出来ないし」
「だからって、まだ早いだろ」

パオラは必死に説得を試みるが、ジーナはかぶりを振った。


「彼が、早く子供が欲しいって…」

そう言われたらもうパオラは黙るしかなかった。
女性の幸せの形は様々だ。勝つことだけが全てではない。


「だから、これが最後のチャンスだ。勝って、スクデットって最高のお土産を持って…」


「引退する」


そう言い切ったジーナの顔はとてもさわやかに吹っ切れた様子だった。パオラは下を向いて首を振っていた。








(出て行けなかった……)
清水代歩はロビー前の階段室のところでため息を吐いた。
監督の決意、ジーナの決意、
それに、茜の決意。

自分の意図するところでないところで次々と背負い込んでしまう。
きっと、サンドやオーラ、アギーだってローザだってデーデだって、背負うものはあるのだろう。
イタリアでサッカーをプレイする以上、スクデットは最高の栄誉だ。
誰もが勝ちたいと思っている。勿論代歩だってそう思っている。

ただ、背負いすぎて想いが重い。


これが、エースの重圧。
代歩は気がつかなかったが、きっとこれこそがそうなんだ。


試されている、サッカーの神様に
代歩はいま、試されているのだ




PR
【2011/11/20 23:37 】 | LEGA-CALCIO 2009-2010 | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
<<桜花杯決勝戦模様その2 エリートのメンタリティー | ホーム | 鮮血の決意>>
有り難いご意見
貴重なご意見の投稿














虎カムバック
トラックバックURL

<<前ページ | ホーム | 次ページ>>